No.39 ページ40
黒田side
しばらくして、夏休みがあけた。
黒田「…にしても、暑いな…。」
佐藤「A！A！どーしよう！夏休みの宿題、終わんない！」
「はっ…！？いやいや…おかしいでしょ！」
佐藤「おねが〜い！」
「可愛くないよ。」
相変わらずのコント。
「はい。スイカバーね。」
黒田「Aってさぁ…いつからアイス好きなわけ？」
「アイス…？えっと…すごい…救われたの！だから、その時から。」
アイスに救われた？
黒田「なんで？」
「い…や…あっ…あの…。」
佐藤「Aの好きな人がねー、アイスくれたんだって。その時から、アイスもその人も大好きなんだよー。」
黒田「好きな人…ね。」
こいつ、アイスのこと愛してんだな。
「ちょっと…か…鍵音！」
黒田「アイス…か。」
高一の春に…なんかあったな…。
似たようなこと。
練習が終わって、しばらく走ってたら、うちの制服の女子見つけて…。
そいつがガードレールに足をかけて、あわてて腕をつかんで、止めて。
コンビニ寄って、帰ったっけ。
黒田「あ…。」
その時…名前、聞いた。
〔黒田A〕
黒田「お前…だったのか。」
「へ？」
黒田「あん時の…。」
「お…思い出して…くれた？」
好きな人。
俺のこと…か。
黒田「へぇ…。」
でも、もう少しだけ、この関係でいよう。
この距離で。
「…ん〜っ。…はい！スイカバー！」
黒田「サンキュ。」
今はまだ…友達で。
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作者名：ショウキチ | 作成日時：2018年3月7日 23時
