No.38 ページ39
母「A…。行こうか。」
「うん…。」
車で二時間。
今日は、お墓参り…。
一年前に、死んじゃった、お父さん…。
元気にしているかな…。
お墓参りには、たくさんの感情がぐるぐるうずまく。
行きたくない…行きたくない…。
怖い怖い怖い…。
会いたい。
話したいな…なんて思うの。
自然と涙がこぼれてきちゃって…止まらなくなるのは多分、毎年のことだから。
母「きっと喜んでるよ…。お父さん。」
「でもっ…私…何もできなかった…！」
母「たくさん泣いて…たくさん想って…それだけで喜ぶわ…。」
あの日も…こんな気持ちだったな。
高一の春。
お父さんが亡くなった。
「死んじゃおうかな…。」
そうすれば会える。
山の上、ガードレールに足をかけた。
その時、腕をつかまれた。
「え…？」
涙でいっぱいの瞳は…視界をぼやけさせて…誰だかわからなかった。
黒田「危ないぞ…。」
それが、黒田雪成くんとの出会い。
「わ…私は…。」
黒田「まだ早ぇよ。死ぬの。こっちこい。」
しばらく歩いてついた先が…
「なんでコンビニ…。」
黒田「ほら。アイス。冷たくて甘いもん食ったら、落ち着くだろ。」
とにかく…今はこの人の優しさに甘えよう。
「うっ…甘い…。」
黒田「ふぅ…。色々あんだろうけどさ…楽しいこともあんだろ。」
「…うん。」
黒田「じゃ、それ見つけよーぜ？」
その一言が、その一言だけが…私の心を軽くしてくれた。
「もう大丈夫だから…。わざわざありがとう。」
顔も名前も知らない人。
だけどきっと…この人が好き。
これからは…この人のことを知っていきたい。
アイス食べながら…ゆっくり考えよう。
「またね…。」
聞こえないほどに、呟いた。
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こんにちは。
今回は、過去編！
黒田くんとの出会いです。
ちょっと重かったでしょうか(^_^;)
では、また次のお話で！
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作者名：ショウキチ | 作成日時：2018年3月7日 23時
