No.32 ページ33
「ふわぁ…。」
あれ…？そっか。黒成くんと背中合わせで寝たんだっけ。
いまだに抱きしめられたままの私は動けません…。
ちょっと前まで憧れて、話せたらいいなぁって、思ってたのが嘘みたい。
とても幸せ…。
もう少しだけ…待って…。
まだ、起きないで…。
黒田「ん…あぁ…。」
起きちゃったか…。
黒田「おはよ…。A。」
「ん〜…もうちょっと寝る…。」
黒田「ダメだ。起きろ？」
セミの鳴き声。
窓の外を見ると太陽が眩しい…。
黒田「なぁ、俺さぁ…お前から抱きしめてもらったことないんだけど…。」
「へっ！？」
黒田「一回だけ。」
朝からドキドキは…勘弁してください…。
ぎゅうっ………
すぐ近くに黒成くんがいる…。
目を合わせるのは絶対にできない…。
いつ離れよう…。
黒田「恋人同士みたいだよな…こうしてると。」
もう…軽く一時間は離れられません…。
黒田「あ、猫。」
「え？あぁ…昨日は会わなかった？家で飼ってるの。」
黒い毛に金色の瞳。
お城にすんでいるような、上品で綺麗な猫。
って、みんなは言う。
黒田「名前は？」
「小雪。」
黒田「小雪？黒いじゃん。」
「この子ね…捨て猫だったんだけど…雪の日に倒れてたのをみつけて、家で飼うことにしたから。」
小雪がにゃあと鳴く。
黒田「はい。ということで…引き続き俺を抱きしめてくださーい。」
「もう…起きよう？」
こんな目覚めは…初めてでした…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ショウキチ | 作成日時：2018年3月7日 23時
