No.29 ページ30
「ただいまー。」
母「おかえりなさい。そちらは…？」
「クラスメイトの黒田雪成くん。」
黒田「はじめまして。」
母「黒田雪成…雪成くんじゃない！久しぶりだわ…。覚えてないでしょうけど…十年以上前に一度あったのよ。」
黒田「はい…。すみません。覚えては…いないんですが…。お久しぶりです…。」
お母さんと黒成くんにそんな過去が…！
母「部屋に案内してあげてね。これからパートがあるから。」
「うん。頑張ってね。」
黒田「行ってらっしゃい。」
黒成くんからそんなお言葉をいただけるなんて…うらやましい…。
「私、飲み物持ってくるから、先に行ってて。」
黒田「おー。」
まって…飲み物…何がいいんだろう…。
とりあえず…ベプシでいいかな…。
「お待たせ〜。暑いよねー。」
黒田「んじゃ、夏休みの宿題、進めようぜ？」
「えっ？あ、うん？」
そのために来たのかな…？
ひたすら問題集を解いていく。
黒田「はぁっ…！休憩…。」
「まだ三十分ぐらいしかやってないよ？」
黒田「いーじゃんかよ…。疲れたんだって。」
「私、続けるからね？」
黒成くんがいると、不思議と勉強が楽しい。
今、なるべく進めたい。
黒田「なぁ…集中力って、切れねぇの？」
「ん〜…今はね。」
黒田「なんだそれ。」
楽しそうに笑う黒成くんが眩しいけど…。
「集中してるから、あとでね。」
黒田「え〜…。」
それから一時間…。
「ん〜っ！疲れた…。」
黒田「全然進まなかった…。」
「休憩が長いんだよ。」
黒田「漫画を置くのが悪い。」
「読んだのは黒成くんでしょ？」
ちょっとした会話も、ケンカも、今は楽しくて。
自然と笑顔があふれてくる。
黒田「んー、眠いっ…。寝る…。」
「もう、遅いよ？」
黒田「泊まっていく…。」
「お母さんは許してくれると思うけど…。」
黒田「え、マジで？」
「うーん…。」
黒成くんが泊まりたいなら…。
黒田「じゃ、帰ってくるまで寝るから…。」
そう言って眠りについてしまった。
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作者名：ショウキチ | 作成日時：2018年3月7日 23時
