No.28 ページ29
黒田side
佐藤「私、言ったはずよ？傷つけたらただじゃおかないから。って。」
黒田「しょうがねぇだろ…。」
佐藤「はぁっ…めんどくさい。Aは、黒田くんの気持ち、よーく、わかってるよ。」
そんなの知ってる…。
佐藤「だって、中学で…自転車部だったし…。」
黒田「はぁっ！？」
佐藤「すごい速くて、誰もが憧れる選手だったんだけど…。部活内では…嫌われてたわ…。」
黒田「あぁ…。」
佐藤「レギュラーで、活躍してて…そしたら、先輩とか同級生たちとか、嫌がらせするようになったわ…。」
あいつの…過去…。
佐藤「それで、行きたくないって…部活、やめたの…。ほんとは、やりたかったのにさ…。」
やりたくても…できない…。
佐藤「だから…Aは、黒田くんがうらやましいのよ。仲がいい自転車部が。」
黒田「悪かった…。」
佐藤「私にじゃなくて、Aに言って。」
行こう…。
黒田「失礼します。黒田Aさん…居ますか…？」
女先「あぁ…黒田さんなら…さっき、帰ったわよ…？」
黒田「はい。ありがとうございます。」
走って、走って、走って…。
黒田「A…。」
「黒成くん…？どうしたの…？」
ぎゅうっと抱きしめる。
「え…えっ！？ちょ…黒成くんっ？」
黒田「じっとしてろ。」
「あ…あの…すごい…見られてるんだけど…。自転車部の人たちに…。」
黒田「…はぁっ！？」
三年生と…塔一郎と…真波…。
黒田「なんでいるんですか！？」
新開「ヒュウ…黒田、なかなかやるじゃないか。」
東堂「女子が真っ赤になっているぞ？どうするのだ？黒田。」
黒田「A、行こう。」
「うん…。」
何か…話さねぇと…。
「鍵音が何か言った…？」
バレてるし…。
黒田「中学の…お前の話…。」
「まぁ、わかってたけど…。気にしないで。」
いや、無理だろ…？
黒田「着いたか。お邪魔しまーす…。」
「ほんとに家に来るの？」
黒田「約束じゃん？」
「片付いてないからね…？あと…お母さん、いるから。」
初対面なんだが…。
めっちゃ緊張する…。
黒田「お邪魔しまーす…。」
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作者名：ショウキチ | 作成日時：2018年3月7日 23時
