No.23 ページ24
「黒成…くん。今、家に誰もいなくて…、大丈夫だから、ありがとう。」
黒成くんが送ってくれたって、それだけで嬉しくて…。
黒田「看病、してやるよ？」
「へっ？」
かっ…看病…？
「ほんとに大丈夫だから…！」
顔が赤くなる…。
黒田「まだ、熱いじゃねーかよ？」
額に手を当てられる。
さ…さらに赤くなってしまいますよ！？
「お…お願いします…。」
部屋に入る。
黒田「寝てろ。」
では、お言葉に甘えます…。
「あっ、今、何時…？」
黒田「まだ、そんな経ってねーよ？二時間ぐらい。」
「まだ、いてくれたんだ…？」
黒田「いてほしいなら、いてやるよ。」
「黒成くん…ご…ごめんね…。私のせいで…せっかくの旅行を…ごめん…。」
黒田「そうだな。じゃあ、言うこと一つだけ聞いてくれ。」
「え…？」
黒田「バーカ。」
「へっ！？…え、いきなり…？」
わからない…。
黒田「ん？反応を楽しんだだけだけど？」
「そ、そういうことか…。わかんなかった。」
黒田「ハハッ…。あ、そうだ。アイスあるか？」
予想外の質問。
「冷凍庫に入ってるけど…。」
黒田「よっしゃ。取ってくるな。」
このまま過ごしていたい…そう思ってしまう。
黒田「一本しかなかったわ。また、半分にするか。」
また、間接キス…！？
黒田「ほい。」
「あっ…ありがとう…。」
これ、ブドウかな？美味しい。
黒田「俺も食うわ。っん。シンプルな味だな。甘い。」
私たちをつなげてくれたのは…アイスだ。
アイスがなかったら、関わりはなかったのかな。
いや、きっと、関わっていたんだろうな。
後悔はしたくなかったから。
どんな形であっても、関わっている。
今ならわかる。
この人の言葉も、笑顔も、全部、受け止められる…。
大切な、存在だったんだ…。
「百点満点…！」
黒田「え？これか？」
「ありがとう。」
なんでだろう。今なら…何でもできる気がする。
黒田「そーいや、久しぶりだったな。」
「何が？」
黒田「間接キス。」
顔は赤くなって、鼓動も早い。
だけど、心は満たされて…。
心にも暖かい、風が吹く。
「甘い…ね？」
黒田「さぁな。」
この気持ちは、紛れもない、「恋」なのでしょう。
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作者名：ショウキチ | 作成日時：2018年3月7日 23時
