【鬼滅の刃】好感度見える体質なんてべつに嬉しくない 2 (ページ10)

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あなたがそこにいるページ10

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「Aさんが起きた！？！？」

驚きの声が屋敷中に響き渡った。
声の主はいつも蝶屋敷で家事をこなしている少女だろう。

ドタバタと駆けていく音が聞こえる。数人が走っている音だ。
きっと炭治郎たちも慌てて彼女の病室へ向かっているのだ。それを理解すると同時に俺も行きたいという感情が湧いてくる。彼女の声が聞きたい。

〝暫くは動かないでくださいね〟

俺にそう告げた胡蝶の言葉を思い出したが、こんな時ぐらいはきっと許されるだろう。…いや、許されないかもしれないが。とりあえず飲みかけの苦い薬を飲み干し、自分の病室から出て、彼女の部屋に向かった。

少し動かしづらい足を一つ一つゆっくり踏み締めながら進む。

彼女の部屋の前まで来ると、少年や少女たちの泣いている声や、猪頭少年がどんぐりを食って元気を出せと叫んでいる声が聞こえてきた。

半分ほど開いた状態だった扉を開けると、大泣きしている少年たちの涙を拭ったり、頭を撫でて落ち着かせようとしているAがそこにいた。
かける言葉など沢山あるだろうに、俺はその光景にぼうっと見惚れるしかできなかった。

ふと、こちらを見たAがぱちくりと瞬きをした後ひどく驚き、ガタガタと立ちあがろうとした。
しかし思うようにいかなかったのか足がもつれ、倒れ込みそうになるのを急いで近寄って腕や腰を掴んで支える。
こんな時ばかりは反射神経を鍛えていてよかったと酷く思う。

「A、無事か！？」

『わっ、無事です！！！元気です！！煉獄さんも、みんなも、生きてて良かった…本当に…』

すとん、と言葉が胸に落ちる。少し眉を下げて笑う彼女の顔を見て、言葉がぽつり、口からこぼれ落ちた。

「好きだ。」

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