検索窓
今日:16 hit、昨日:63 hit、合計:60,399 hit

負けるものか ページ6

.


__時の呼吸、肆の型



一寸光陰(いっすんのこういん)



「…っ!!」



炭治郎に手を伸ばす鬼が見え、素早く技で移動し腕ごと切り落とした。
鬼は私の存在に今気づいたのにも関わらず、すぐにもう片方の手で私の頭を殴り飛ばそうとしていた。


咄嗟に首を動かし避けたが、爪で右耳に大きく傷をつけられた。再び技を出そうとすると、鬼が足を上にあげこちらに振り落とそうとする。


やば、型切り替えるの間に合わない。

 


「炎の呼吸 伍の型 炎虎(えんこ)



「…ほお、」



私と鬼の間に素早く炎が舞った。煉獄さんに助けられたのだ。殺気でぴりぴりとするこの空間で、目の前の鬼は笑みを浮かべた。



「いい刀だ。」




__鬼になれ。




鬼が発したその言葉に、体がかちりと固まったのを感じた。だが、煉獄さんはすぐにその誘いを拒否した。
人は儚い、だからこそ愛おしいのだと。



『そーだそーだ!煉獄さんはあげないっつーのっ!』



伍の型でぐるりと大きく回りながら斬撃をくりだす。首を狙ったつもりだったが、避けられ肩ごと右腕を切る形になった。

…しかし先ほど話している最中に藤の毒を塗り直した。暫くは回復できないはずだ。それを向こうも理解しているらしく、酷くムカついている様子だ。




「くそ…!小癪な!!」


__破壊殺・脚式 冠先割(かむろさきわり)



間合いを詰められ、大きく下から蹴り上げられる。咄嗟にのけぞり避けたが直撃したら頭は吹っ飛んでいただろう。


…それからずっと戦った。ものすごい時間が経ったような気もするし、数分しか経っていない気もする。
煉獄さんも目を切ったり肋が折れたりボロボロで、私も腕の骨が折れ、腹に大きく切り傷ができてしまった。


呼吸でなんとか止血できている状況。それでも諦めず煉獄さんが奥義を出した。私も遅れず援護に回る。


瞬間、鬼の腕が煉獄さんの腹を狙うのが見える。
…不思議なほどに時間がゆっくり感じた。動かなきゃ、動かなきゃ!


乱暴に煉獄さんの体を押し除け、薙刀で防御をするが攻撃の威力が凄まじいせいでぼきりと真っ二つに割れてしまう。その勢いで片方の柄が腹に刺さり、焼けるような痛みがして、涎が止まらない。


倒れる私に煉獄さんや炭治郎がこちらに呼びかける声がぼやっとしか聞こえず、意識を保つ限界が見える。



『負けず嫌い舐めんな…!!!』



陽から逃げようとする鬼に刀をぶん投げだところで、ぷつりと意識を落とした。

君だけが知っている夢→←終わったなんて



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (313 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4542人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 愛され , 逆ハー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なる | 作成日時:2023年5月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。