無駄に緊張する場 ページ27
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「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」
「ならば俺が派手に頸を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ」
「あぁ…なんというみすぼらしい子供だ。可哀想に…生まれてきたこと自体が可哀想だ」
あまりにも連続でインパクトの強い言葉が飛び交うもので、どうしたらいいものかと頭を抱えたくなる。
「…そんなことより冨岡はどうするのかね」
頭上から声が聞こえる。伊黒さんまた木登りしてたのか。
「拘束もしていない様に俺は頭痛がしてくるんだが。胡蝶めの話によると隊律違反は冨岡も同じだろう。どう処分する。どう責任をとらせる。どんな目に合わせてやろうか」
相変わらずネチネチしてらっしゃる…。隣にいる錆兎が怒っているようで、そちらに顔を向ける勇気がなくとりあえず伊黒さんを見つめたまま話を聞いていると、今度はしのぶさんが口を開く。
「まぁいいじゃないですか、大人しくついてきてくれましたし。処罰は後で考えましょう。それより私は坊やの方から話を聞きたいですよ」
再び喋ろうとし大きく噎せた炭治郎を見て、しのぶさんが小さな瓢箪を取り出し、鎮痛剤入りの水を飲ませた。
水を飲ませてもらった後、炭治郎は全員に聞こえる声で話し始めた。
「…俺の妹は鬼になりました。だけど、人を喰ったことはないんです。今までも、これからも。人を傷つけることは絶対にしません」
「くだらない妄言を吐き散らすな。そもそも身内なら庇って当たり前。言うことすべて信用できない。俺は信用しない」
「あああ…鬼に取り憑かれているのだ。早くこの哀れな子供を殺して解き放ってあげよう」
炭治郎が発言をしても、やはり鬼殺隊の柱として規則を無視することは重罪だと、反対的な言葉が更に出てくる。
「聞いてください!!俺は禰豆子を守るために剣士になったんです!禰豆子が鬼になったのは二年以上前のことで、その間禰豆子は人を喰ったりしていない!」
「話が地味にぐるぐる回ってるぞアホが。人を喰ってないこと、これからも喰わないこと。口先だけでなくド派手に証明してみせろ」
「あのぉ、でも疑問があるんですけど…お館様がこのことを把握してないとは思えないです。勝手に処分しちゃっていいんでしょうか?いらっしゃるまでとりあえず待った方が…」
『あっ、私もそれ考えてた。蜜璃ちゃん流石すぎる』
「(ほっ褒められちゃったわ…!!)」
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作者名:なる | 作成日時:2019年12月20日 1時