蝶屋敷にて ページ11
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『…腰が痛いのお……年かのお……。』
「背中の骨が折れているんです!ふざけてないで早く中に入ってください馬鹿!!!」
診察室まで連れて行ってもらい、『ありがとう』と言って頭を撫でると3数字が上がって82になるアオイちゃんの好感度。
アオイちゃんも私に好意を寄せてくれている人の1人である。嫁にしたい。
今日は、足を滑らして崖から落ちるという恥ずかしい怪我をして、蝶屋敷に治療してもらいに来ている。受け身を取る瞬間にくしゃみなんてしなければ…
『あ、そういえばカナヲちゃんいる?久しぶりに会いたいなあ』
すると、誰かが部屋の扉を開けて入って来た。
「あ、あの!薬、持ってきました!」
『カナヲちゃーん!久しぶり!!ありがとう!元気にしてた?相変わらず可愛いね結婚して!!』
「あ、あ、え、」
カナヲちゃん、恥ずかしがってなかなか目を合わせてくれないけど、さっき部屋に入って来た時に一瞬目が合った。数値は95、高い。
「ちょっと!病人なんだから安静にしててください! 」
『はーーい。じゃあ、また今度ね。カナヲ』
「あ、あの!」
『ん?どうしたー?』
少し俯きげな彼女が、私の服の裾を掴み呼び止める。
「……私でも、Aさんと、結婚…できますか。」
『えっ今すぐしよ。』
「なっ、!ちょっとまってAさん!」
『ん?どーした?アオイちゃ…』
アオイちゃん、と呼ぶ前に、大きく「カナヲさーん!」と呼ぶ声が響いた。すみちゃんかな、多分。
「あ、行ってきます。また、…!」
『うん!行ってらっしゃい!!』
カナヲちゃんが部屋から出て、アオイちゃんと2人きりになる。
『そういえばアオイちゃんさ、さっきのちょっとまってAさん、の次なんて言おうとしたの?』
「……気持ち悪いとか、思わないでくださいね。」
『うん、思わないよ。』
「カナヲみたいに、私も貴方に、「可愛い」って言われたいし、私だって、貴方のことが…好きなんです…。」
『え、可愛すぎて死にそうだが?』
「な、何を言っているんですかあなたは!!」
『確かにアオイちゃんにはあんまり可愛いって言ってなかったなあ。アオイちゃんはね、肌白くて綺麗だし、目もとても綺麗な色をしているし、しっかり者で私もいつも頼りにしてるし…』
「ま、待ってください!もう結構です!!ありがとうございました!!」
そう言って顔を赤くしたアオイちゃんは、部屋を飛び出してしまった。
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作者名:なる | 作成日時:2019年12月20日 1時