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藤「うわ、あと線香花火で終わりやで」






いつの間にか全部やり終えてしまったみたいで

残った線香花火を手に取ってしゃがんで火をつけると

パチパチと心地よい音を奏でながら

それはだんだん大きくなっていく。






「あ、」







ポトリ







大きくなった火の玉が耐えきれずに地面に落ちたのはほぼ同時。







藤「もう一回しよ」






もっと見ていたい

そんな欲求に襲われて、もう一本ずつ手に取る。






藤「落ち着くなあ」






またパチパチと音を鳴らして

きれいに燃える線香花火。






お互いなにを話すでもなく

ただただきれいな火花を見つめてたけど







藤「A?」







隣にいる流星の優しい声で名前を呼ばれて

ドキンと大きく心臓が脈打つ。







藤「あのさ、」







チラリと隣を見ると真っ直ぐに

線香花火を見つめる、流星の横顔は

火花で照らされて本当にきれいで見惚れてしまう。






藤「祭の言い伝え知ってる?」

「両思いになれるってやつ?」

藤「うん」






なんだ、流星も知ってるんじゃん

知ってて断ったってことはやっぱり、






朝の気持ちが蘇ってきて

なんだか泣きそう







藤「俺も好きな奴と行こうとしたんやけどさ」







ほらやっぱり

好きな人は誘えなくて普通に私と祭に行こうとしてただけじゃん、

本当私、期待なんかしちゃってバカみたい







藤「やっぱそんなんに頼るんは良くないなって」







なんか流星らしい理由。

誘えなかったんじゃなくて誘わなかったんだ

そう知って余計にそれに頼ろうとしていた自分が惨めに思えてくる。






藤「だから普通に伝えようと思って」

「そっか…、いいじゃん。頑張ってね、」

藤「は?」






ポトリ






流星の線香花火が消える。






「え?」






それにつられるようにして私のも消える。

パチパチという火花の音もなくなった公園は

時間が止まったんじゃないかと思うくらいさらに静まりかえって






じっと流星に見つめられて騒ぐ胸の音が聞こえてないかな

なんて心配になる。







藤「なんでそうなる?」

「え、応援するのって当たり前じゃないの?」

藤「いや、そうじゃなくてさ」






私なにか変なこと言った…?

流星がなにに引っかかってるのか全然わからない







「どういう意味?」

藤「あのさあ、」







流星は呆れたようにため息をついて







藤「俺が好きなん、Aやねんけど」


.

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なる(プロフ) - ぱぴこ。さん» ありがとうございます( ; ; )めちゃくちゃ嬉しいです!!!今ひとつ、書いている途中なので頑張りますね(^O^) (2019年7月17日 9時) (レス) id: c5611b0274 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ。 - とってもこのお話好きです!!!!更新頑張ってくださいね!!!!応援してます!!! (2019年7月16日 19時) (レス) id: 913e0f575f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なる | 作成日時:2019年7月15日 20時

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