ドS上司２【黄】 (ページ4)

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背中に当たっている小瀧くんの胸が

ドクドクと脈打っているのが伝わってくる。

それがなんかすごく恥ずかしくて、

私のも聞こえてるんじゃないかと思うと更にかあっと体温が上がる。

小「すみません、」

「ううん…、」

私を抱きしめながらそう謝ってくる小瀧くんの声は

どこか弱々しくて、いつもの小瀧くんじゃない。

もしかして何かな悩んでるのかも、

そう思うけど私もそれどころじゃなくて

緊張して体が強張る。

それなのに

小「…今日、泊まっていきます？」

そんな甘い声で耳元で囁かれて

本当に心臓が潰れそうなくらいきゅうって苦しくなって

「っ、」

思わず小瀧くんの腕の中から抜け出す。

振り返るといつもの小瀧くんがそこにはいて

小「冗談ですよ」

そう、いたずらに笑う。

いつもなら可愛いって思う

だけど、

「冗談ってなに？」

小「え、」

いつも私はドキドキしてしまうのに

冗談ですよ

なんて言ってくるから

なんだか弄ばれてる気がして

ちょっと苛立っちゃって

「遊んでるの？」

小「や、そういうわけじゃ」

「じゃあなんで？」

困ったように眉毛を下げるけど

小瀧くんは何も言わない。

「ほら、遊んでるんじゃん。どうせ色んな女の人にもしてるんでしょ？」

小「そんなことないです」

「絶対うそ」

こっちが怒っているのに

目の前の小瀧くんがはあ～、と大きなため息を漏らして頭をかく。

小「だって理由言ったらAさん、困るから」

「困るって？」

小「…とにかく困るんです、」

わけわかんない、

なんて思って問いただすけど全然折れてくれなくて

「もういいっ、帰る」

そう、解決もしないまま小瀧くんの家を飛び出して

自分の家に帰った。

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