今日も片想い【桃】 (ページ9)

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望side

Aに誘ってもらえてルンルンで歩く。

校舎から出ると外のメインステージで

軽音部がやっててすっごい騒がしい。

「ちょっと見て行ってもいい？」

小「ええよ」

Aの頼み、断るわけないやん

なんて思いながら騒いでる中に入って行く。

へぇ、初めて見るけどめっちゃかっこええな

ボーカルの人、声めっちゃきれいやん

「かっこいいなあ」

小「ん」

「神ちゃん」

小「…神ちゃん？」

＂ボーカルの人＂

って俺としゃべってるはずやのに

俺の方見んとずっとその神ちゃんっていう

ボーカルを見つめてるA。

初めて聞く名前

初めて見るその人

なんかライバル心が芽生える。

誰やねん！

何者やねん！

ってなりながらほとんど曲も入ってこんまま

そこに居続けて。

やっと終わった、

って思ったらステージ降りた神ちゃんとやらが

こっち向かって手振ってきて

「あ！気づいてくれた！」

嬉しそうな顔してAも手を振る。

それからちょっとしてから

神「よっ」

「わ、神ちゃん！」

神「来てくれてんな」

そう、神ちゃんがやってきて

俺がおらんかのようにして2人で話し出す。

「めっちゃかっこよかった！」

神「ほんまに？うれしいわあ」

「うん、やっぱりすごいな」

かっこいい、やって。

俺に言うてくれたことないのに

てか思ってたよりちっこいな、こいつ

Aとあんま変わらんのちゃう

行き場のない怒りを持ちながら

全然興味もないのに次に出てきたグループの人の曲を聞いてたら

神「A1人？」

「あ、ううん。のんちゃんときた」

そう、急に紹介される。

なんやこれ

小「あ、のんちゃんって言います」

神「うわでっか！！あ、僕は神山智洋って言います」

小「神ちゃんはちっちゃいなあ」

「あはは」

Aが楽しそうに笑うから

まあ、のっとこかって思って

営業スマイル全開で自己紹介した。

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