ドS上司 【黄】

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その日の晩、杏奈ちゃんからメールがきて。






杏『付き合っていないんだったら、あまりしゃべらないでください。勘違いします、私』






はあ、と何度見てもため息が出る。

話すくらいいいじゃん、

って思うけど






私にもその感情は思い当たる節があるから

わからなくもない。

だけど同じテーブルでしゃべらないのは変じゃない？






そう思ってなんとか必要最低限話すことは許可してもらった。

せっかく仲のいい後輩ができてうれしかったのに

…なんか、悲しい。






そんな中、またスマホが震えて

杏奈ちゃんかな、って思って開くと






小『Aさん、続編再来週からですって！』






小瀧くんからで

昨日の私だったら行こ！って即答だったなあ

なんて思いつつ、

だけど断り方も見つからなくて一旦、保留にした。






.






次の日出勤して自分の席に座ると

丁度小瀧くんが出勤してきて

そのまま私の席に来る。






杏奈ちゃん、すごい見てる

ああ、本当嫌だ

この監視されてる感じ、






小「ちょ、Aさん昨日無視ったでしょ」

「え、ああ…ごめん、寝落ちしちゃって」

小「行きましょね、続編」







どう返事したらいいかわからなくて

沈黙が生まれる。







小「Aさん？」







不思議に思った小瀧くんが聞き返してくるけど







「ごめん、行けないや、」

小「え、なんで、？」

「なんでも、」







行きたい、

けど疑われてて、もうあんまり話さないでって言われてるから

こうするしかなくて






ごめんね、って思いつつもこう言わざるを得ない。

じゃないと疑いが晴れないから、






小「えー行きましょうよ」

「本当ごめん」

小「予定合わせますから」







でも断るごとになんか悪くなってきて








「ごめん、資料室行ってくるね」







そう、逃げた。



.

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