兄弟の進む道 (ページ7)

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燭台切光忠ページ7

「えっ君だれ？それよりその血っ」
本丸に戻ると眼帯をした背の高い男と鉢合わせた。驚いて一歩下がってしまう。
「あっごめんね。僕は燭台切光忠、君は？」
「.......俺はA」
「A君ね、分かったよ。それでその血はどうしたの？」
「出陣してきた」
「出陣....君は刀剣男子?いやでも刀がないし、そもそも審神者はいないんだから出陣はできないはず」

審神者がいないと出陣ができないのか。

「俺が審神者、君たちが嫌いなね」
「審神者....？君みたいな幼子が.......政府は何を考えているんだ。」
「さあね」
はぐらかしてみるが、政府は欲しかったんだろう。鬼の子の力が。ついでに言うと消してしまいたかったんだろう自分たちと違う異端の存在を。

「じゃあ俺は行く」
「待って、手当てするよ」
「いらない、もう治った」
「治ったってそんなはず」
服をめくって傷があるはずの場所を見せる。
「なんで....？」

深く聞かれる前に歩き出して悠のいる部屋に向かった。

「お兄ちゃん.....」
悠が涙目でこちらを見てくる。何があったんだっ？
「どうした？」
「どこいってたの？」
あぁ急にいなくなって驚いたのか。
「少し出ていただけだよ」
「でもその赤いの....」
「.....洗い流してくるからここにいてくれる？」
「うん、分かった...」

井戸で周りに人がいないのを確認してから服を脱ぎ血を洗い流した。
この服、もうダメかな.....?でもこれしかないし。

敵に切られてぼろぼろになった服を着なおす。服にも血がついていたせいで折角洗ったのに意味がない。それにタオルもないから体がびしょびしょだ。

「Aくーん」

「何してるの」
「血を流した」
「そうじゃなくて....はぁ少し僕の部屋に来ようか」

問答無用で持ち上げられて連れ去られる。
「濡れるよ」
「あとで拭くからいいよ、僕が濡れるのを気にしてる場合じゃないでしょ」
「でも、悠が待ってる」
「悠？」
さっきまで泣きそうだったから早く戻ってあげたい。

「俺の弟」
「そのこも服がないのかな？」
否定する必要もないので小さく頷く。
「じゃあその子も連れて行こうか」
「っあ.....悠に傷つけたら許さないから」

急に不安になってきてキッと燭台切さんを睨みつけた。

「っ大丈夫、僕は君たちを傷つけないよ」
「....ならいい」
「さあ行こうか、悠君はどこにいるのかな？」