兄弟の進む道 (ページ6)

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いざ出陣ページ6

さて、出陣について考えよう。下手に出陣を頼むのは危険だろう。俺たちが邪魔だと判断されたら......。
となると出陣できる人物はただ一人。

「俺だ」
悠は今もぐっすり眠っている。ならいまうちに。目を離すのは心配だけど、急いで帰って来よう。
俺はここの人にばれないように息を殺して入ってきた扉に向かった。

無事にばれることなくたどり着き、戦場に来た。
「いくら鬼でも素手はきついかな....？」
まあとりあえずやってみよう。どうしたらいいのか考えている間に禍々しい気配をまとった鬼より鬼らしい奴らに襲われた。

「うわっ!」

いきなり振り下ろされた刀を間一髪でよける。数が多いな....一人ずつ確実にいくか。
俺は高く飛び上がって近くにいた飛んでいるものを蹴り飛ばした。

「これくらいじゃ倒れない....」

できるだけ力強く蹴ってみるもののほかの者も倒れる気配がない。仕方ない使うか。
「鬼化」

俺の意識は深くへ沈んでいき、表では鬼が暴れているのを感じる。鬼化は俺の奥の手のようなもの。お母さんが教えてくれた技。いざというときのための技。伯父さんのところで一度使ったことがあるが......あのときの俺は幼すぎて制御ができず、自滅してしまった。だが、今は.......うまくいくと信じたい。

「ガルルゥウゥ!!」

自分の唸り声と敵の崩れ落ちる音。なかなか鳴り止まないそれを俺はしばらくボーっと聞いていた。

「はぁはぁ.....終わった？」
これはあまり使わないほうがよさそうだ。どっと体力を消費する上に気持ち悪い。肌を伝う生暖かいものは俺の血だろうか。

「治った？」
よし、戻ったら水で洗い流そう。もう敵もいないようだし急いで悠のもとへ帰ろう。