兄弟の進む道 (ページ50)

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顔ページ50

「あるじさま！政府の人が来たよ！！」
俺は座布団の上に正座をして待っていた。隣りには悠が座っている。

「今は燭台切さんが案内してるところ。」

「分かった。ありがとう乱。」

「じゃああるじさま、頑張ってね！」

燭台切にもらった着物を整えて座布団の上に座りなおす。

「お兄ちゃん、どんなひとがくるんだろうね。」
「また黒いスーツを着てるんじゃないか？」

俺は学校に行きたいということも伝えて交渉するつもりだ。悠も小学校に入ることができるといいと思う。

いつも今剣と五虎退と仲良くしているのを見ると悠は人と遊ぶのが結構好きなんだと思う。神様だけではなく同年代の友達ができたら楽しいだろう。

伝言にきた乱が部屋からでて数分後、足音が聞こえてきた。
俺は息を大きく吸って吐き出す。

「よし....」

小さくつぶやいた直後、中に人が入ってきた。

「あ...........」
「お兄ちゃ.....」

俺と悠は入ってきたその人を見た瞬間、言葉を失った。

三年間、見続けた顔。恐ろしい顔。にくい顔。嫌いな顔。

「おに...」
鬼化、と叫ぼうとしたとき悠が大きく震えながらもけなげに座り続けていることにかが付いた。

悠は耐えているのに。俺が耐え切れなくてどうするんだ。

深呼吸をして立ち上がりかけた体をもう一度座らせる。

俺は何事もなかったかのように笑みを浮かばせて見せた。

悠を守るように。

俺自身を守るように。

みんなに迷惑がかからないように。

「お久しぶりです。伯父さん。」