兄弟の進む道 (ページ48)

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闇に光る瞳ページ48

「お兄ちゃん....ここどこ？」

俺は夜中にトイレに行きたがった悠をつれて本丸を歩いていた。知っている道のはずなのに真っ暗ななかを歩いていた結果迷ってしまったようだ。

俺は無言で悠の手を握る。

これは....少し怖い。

「お兄ちゃん、大丈夫？」

悠の言葉で体が自然と震えていることに気が付いた。

「ああ」

俺は悠の手を引き一歩ずつ進む。本当にこちらで合っているのだろうか？

「うわっ」

冷たい風が頬を撫でた。
目にかかった髪をどける。

「あれ...？人間かな？」

そこには長い髪の男の人がいた。暗闇の中に赤い瞳が光っている。
男は笑って近づいてきた。

金の瞳を細めてこちらを見た。

「ああこの間の兄弟だね。僕はにっかり青江。」

「....俺は」
「ああいいよ」

警戒しつつも名乗ろうとすると遮られた。

「Aと悠だろう？」

なんで.....
「この間、集められたときに言っていたからね。」
あの場にいたのか。

「僕は好きだよ。君のことがね。」

「好き....？」

青江さんは俺を見ていった。何を考えているんだろう。

「そう。自分の思ってることが言えて、どこか危なげのある純粋な子供。君には変わらないでほしいな。」

子供....か。子供なんて弱くて何も守れない存在は、俺は嫌だ。悠のことを守れるようになりたい。

「俺は....早く大人になりたい。」
そういうと青江さんはほほ笑んだ。

「うん。君はそのうち大人になるだろう。変わっていくこともたくさんあるんだろうね。」

青江さんは続けて言う。

「さあそろそろ寝ておいで。子供は寝る時間だよ。」

そういわれて部屋からでた理由を思い出した。

「トイレは、どこにある？」

「トイレ？ああ厠のことだね。連れて行ってあげるよ。」