兄弟の進む道 (ページ44)

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行きたいページ44

「それから僕は、遡行軍を倒して主さんを本丸につれて帰ったんだ。」

俺は、彼に起きていたことを聞いて唖然とした。
付喪神で神様だっていうのは聞いていたけれど.....

あの刀が目の前にいる彼だということが分かり、本当に彼らは刀の付喪神なんだということが実感させられた。

「大丈夫？A君。」

燭台切に声をかけられてハッと我に返った。

「.....本当に刀なんだな」

「....そうだよ。僕たちは刀の付喪神。僕はね、伊達政宗という人に使われていたんだ。」

だて....まさむね....

「聞いたことないかな？有名な人だと思うんだけど。」

有名.....あぁ学校で知るのだろうか。

俺は、微笑んで見せた。

「聞いたことないな。すまない。」

学校に行きたい、なんていう感情を隠すように。
俺は3年前のあの日から学校へ行っていない。

勉強がしたい。みんなと同じように。

俺だけじゃなくて悠だって来年にはもう小学生になる。そういう年齢だ。

俺は....あと数か月で卒業。

「そっかあ。今度教えてあげるよ。歴史的に有名な主がいる刀剣男子も多いから、その人たちも一緒にね」

「.......ありがとう」

教えてくれる....のか。

「燭台切....」

「ん？」

俺は恐る恐る聞いてみた。

「これから、勉強したら俺は小学校に行けるだろうか？

.....卒業したいんだ。」

俺は、下を見つめていた顔をそっと持ち上げて燭台切を見た。燭台切は少し驚いた表情をしている。

「そっか、君たちはそういう年頃だもんね。いいよ、ほかの勉強も教えてあげる。それから今度、政府に手紙を書いてみようか。」

「ありがとう」

俺は嬉しくなってつい、笑みがこぼれた。