兄弟の進む道 (ページ42)

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拾いものページ42

俺は落ち着いたところで燭台切に疑問をぶつけた。

「俺は...どうやって帰ってきたんだ？」

大きな刀が振り下ろされたところから記憶がない。

少なくともあの状況では帰ってくるのは難しかっただろうという程度だ。

「.........堀川君が連れてきてくれたんだよ。堀川国広君」

堀川.........国広....？

国広というのは和泉守の大切な人...だったか？

「....そうだっ和泉守たちは!?」

「みんな無事だよ。A君が持ってきてくれた資材のおかげで手入れも終わってる。ほら、和泉守君はいっておいでよ」

「.........」

和泉守は気まずそうに眼をきょろきょろさせながら部屋に入ってきた。その後ろには知らない人がいる。

「ほら、兼さん」

少年はニコニコしながら和泉守の背中を押した。

「わっ国広てめぇ！」

和泉守はしばらく、あーうーなどと唸ってから声を上げた。

「出陣させてくれてありがとう。....それから重傷で手入れさせちまってすまねぇ」

「違うでしょ」

「ッ国広....！えっと....あんたに出陣させて傷を負わせる事態になってしまって申し訳なく思ってる。」

和泉守がやたらと素直に俺に向かって謝ってきた。

「別に、俺が勝手にしたことだ。手入れができたならよかった。礼は悠に言ってくれ」

「...おう。ありがとな」

「どういたしまして！」

悠は満面の笑みで和泉守に抱きついた。和泉守は、やれやれとでも言うように頭を撫でている。

少年はその間にこちらに近づいてきた。

「主さん。僕を拾ってくれてありがとうございます。あっ、僕は堀川国広です。よろしく」

「拾った...？」

「はい。主さんこの刀で戦いませんでしたか？」

そういって彼は、刀を見せてきた。
確かにこれは俺が意識を手放すまで使っていた刀だ。この刀のおかげで俺は資材を集めることができた。

「僕は主さんが戦っていた戦場に取り残されていたんです。人の体でいられなくなってしまったみたいで、身動きが取れなくなっていました。」

そういって堀川さんは今までのことを語り始めた。