兄弟の進む道 (ページ5)

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大将ページ5

「あっ!!」
寝過ごしたっ早くご飯作らないと....悠が!!

ってあれ....ここは？
辺りを見回すと知らない景色がある。....ああそうか本丸に来たんだ。確か、一期一振さんの弟を手入れしてて、それから....
「悠っ!!」
「おっ起きたのか。」
この人は、さっき手入れした....
「弟さんなら大丈夫だぜ、そこで寝てる」
指さされた方向を見ると、確かに悠が寝ていた。ほっと胸をなでおろしてもう一度、少年に目をやった。
「貴方は...？」
「俺っちは薬研藤四郎。さっきは手入れしてくれてありがとな」
「俺はA。」
「なあ大将、いち兄や兄弟の手入れもしてほしいんだ。」
「俺はいいが、資材が足りない」
ここで安全に生きるためには手入れをして信頼を得ることもきっと大事になるだろう。
「なら俺が出陣するぜ。」
たぶんだけどこの人を出陣させたら起こる人がいる....と思う。
俺は首を横に振った。
「どうするかは考える。手入れは近いうちにやる」
「俺を出陣させないならどうするつもりだ？大将」
「.....さっきも思ったけど大将ってのはなんだ」
薬研さんは不思議そうな目で一瞬こちらを見てからすぐに笑顔を浮かべた。

「俺は主のことをそう呼ぶんだ!大将。」
「薬研さんは、俺を主だと」
「俺のことは薬研でいいぜ。”さん”はムズムズすっからな」
「分かった。じゃあ薬研。そろそろ部屋に戻らなくて大丈夫か」
「ん？問題はないが、そうだな。兄弟の様子を見てくるぜ」

薬研が部屋を出たのを見ると息を大きく吐き出した。人といるのはどうにも慣れそうにない。こんなにも近くで人と話したのは久しぶりだ。