兄弟の進む道 (ページ38)

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出陣・遠征ページ38

集まっていた刀剣男子は、ほとんどが傷ついてた。傷がない人のほうが少ない程度には。

....出陣してもらったほうがよいのだろうか。

俺は翌日、和泉守を探して声をかけた。

「どうした？」

「出陣してほしい」

和泉守はギラッと目を輝かせた。

「いいぜ！いっちょやってやろうじゃないか」

昨日の苦しそうな表情とは違い明るく嬉しそうだ。刀の付喪神である彼らにとっては戦は必要不可欠なものなのだろう。

「ありがとう。」

和泉守は、おう！と頷きそれから質問してきた。

「編成は？」

編成...というのは出陣に行くもののことか。

「これから声をかける」

「んじゃ、聞きにいくとするか！」

「一緒にいくのか？」

「当たり前だろ、俺が出陣するんだぜ？編成は気になるだろ」

そういうものなのか。俺は納得して頷いた。和泉守が張り切って歩くのを置いて行かれないように早足でおいかけた。

和泉守は次々に声をかけていきあっという間に集まった。

今は大きな扉の前に並んでいる。

「隊長は和泉守兼定。隊員は三日月宗近。小狐丸。歌仙兼定。不動行光。太鼓鐘貞宗だ。.......よろしく頼む」

「おう！任せろ！」

和泉守が大きく踏み出し、後ろを5人がやれやれという表情で追いかけた。

「ねぇA君。僕も出陣したいな」
6人を見送っていると隣りにいた燭台切が呟いた。

「いいのか？」

一期さんと彼は練度が低くて出陣は厳しいという話だったはずだ。

「うん。遠征くらいなら行けるかな？と思ってね。」

「遠征？」

聞いたことのないものだ。和泉守たちがいったものとは違うのだろうか。

「合戦場と違って危険は少ないんだ。これなら資源も確実に持って帰ってこれるだろうから手入れができるようになるんじゃないかな」

危険が少ないのか....なら、頼んで少しでも多く手入れをしたほうがいいのだろう。少しでも手入れをして信用をえたい。悠への警戒を緩めるためにも。

「じゃあ、よろしく頼む」

「オーケー、任せてよ。」

しばらくして、燭台切は薬研藤四郎。乱藤四郎。前田藤四郎。今剣。岩融は遠征に向かった。