俺は弱い ページ36
「A君！」
燭台切.......？
慌てて涙を拭うが零れ始めた涙は止まることを知らない。
「なに？」
そっけなく返した。これで、嫌になって戻ってくれればいいのに。燭台切は優しい人だから、そんなことはないんだろう。
何も言わずにゆっくりと隣りに腰を下ろした。
「わっ」
突然視界が変化し気づくと燭台切の胸の中にいた。
燭台切の心音がドクドクと伝わってくる。
.......暖かい。
「ねぇ、なんで俺は弱いの？」
「君は強いよ」
「でも、俺は逃げた。悠をおいて」
あの場に俺は悠を置き去りにした。口に出すと一気に罪悪感がわいてくる。
今からでも悠のところに戻るべきか、と思ったがこんな顔は見せられない。
俺はお兄ちゃんだから。
「A君は悠君を一期さんに預けただろう？今、悠君は粟田口の短刀と遊んでるよ。だからA君は心配しなくても大丈夫」
悠の無事を聞き少し安心する。
零れ続けていた涙も収まってきた。
「ありがとう。燭台切。」
「当たり前のことをしただけだよ」
そういって燭台切はふわっと笑った。
俺はすっと立ち上がり燭台切に頭を下げる。
くるっと後ろを向き歩き出した。
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季歌(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます！頑張りますっ (2019年8月6日 17時) (
レス) id: 178174085c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください！ (2019年8月1日 8時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
季歌(プロフ) - レイナ丸さん» ありがとうございます!! (2019年5月2日 13時) (レス) id: 178174085c (このIDを非表示/違反報告)
レイナ丸(プロフ) - いいですね！！こう言う兄弟もの大好物なんですよね！更新頑張ってください！！！ (2019年5月2日 12時) (レス) id: 0d2b714c98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：季歌 | 作成日時：2019年5月2日 3時
