兄弟の進む道 (ページ29)

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悪魔みたいな子たちページ29

翌朝、軽く掃除を済ませた食堂に悠と一緒に向かった。一晩中、部屋にいた燭台切も一緒にいる。

「これ全部A君が作ったの？」

「あぁ」

「厨もこんなに綺麗に」

燭台切は申し訳なさそうに笑った。

「ありがとね、A君。大変だったでしょ。僕も手伝えばよかったね」

「別に平気だ。」

「じゃあ、ちょっと温めてくるね」

燭台切はラップのかかったおにぎりを手に取り、これまた大きなレンジに入れた。

前の審神者は台所の整備はしていた....のか？今まで見た様子じゃあ台所なんて気にしそうにないけど。

数分たち、レンジがチンッと音をたてた。燭台切が机におにぎりと皿を並べた。皿は俺が昨日洗ったものだ。

「いただきます!」

悠の元気な言葉に続いて俺と燭台切も手を合わせて食べ始めた。

「悠、急がなくても大丈夫だ」

必死でおにぎりに食らいつく悠に言った。

「えっ....？そっかそうだね、お兄ちゃん」

そう、今は理不尽に食べ物を取られたりしない。

「おっなんか美味そうなもんくってんな!」
この声は薬研か。

「僕にもちょうだい!」
「僕もいいでしょうか」
「ぼくもほしいです!!」

一期さんの弟に、今剣さんだ。

「いっぱい来たね。じゃあ僕も貞ちゃんを呼んでこよう。いいかなA君。」

俺は頷いた。それを見越してたくさん作ったのだ。

「じゃあ先に食べててね」
燭台切の言葉を皮切りに一斉におにぎりに手を伸ばした。

「久しぶりの飯はいいな。燭台切が作ったのか？」
「お兄ちゃんがつくったの!」

「へー、すごいね！あるじさん!」

俺はなんだか顔が見ていられなくて俯いた。

「おっ照れてるのか？A」

「照れてない」
くすくすと笑う声が聞こえ、ぐいっと顔を上げ薬研を蹴飛ばした。

「おっ？やったな！」

薬研がニヤニヤしながら近づいてきた。

「うわっやめろ！くすぐったい！」

体中を思いっきりくすぐってくる。薬研が悪魔に見えるっ。