兄弟の進む道 (ページ17)

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鬼ページ17

「鬼...？Aくんたちが？」

疑わしげな燭台切に対して髪を上げて額から生えた小さな一本の角を見せる。乱さんと前田さんも俺の前に回り込んで額を見た。

「うわぁほんとだ!小さくてかわいいー」
......？

「怖くないのか？」

「えー、だって初めて見るんだもん」
「怖くないなら、いい。」

怖がられることを、少し恐れていたのかもしれない。初めて屈託なく俺たちに接してくる相手に。

「そっか。鬼だったんだね。人間の、それも子供が出陣して帰ってこれるとは思わなかったから不思議だったんだ。」

「主君、出陣したんですか!?」

「そう、僕が初めて会ったときは血だらけだったよ。」

燭台切は苦笑いで前田さんと話している。別にいいじゃないか出陣したって。死んでないんだから。

「待てお前ら。不思議に思わないのか？鬼の存在を。」

「えーだって長谷部くん、僕たちは付喪神だよ？鬼くらいいるって」

「それはそうだが....」

「あのね、ぼくたちのむかしのひとにね鬼がいたのそれをぼくたちはうけついだんだって」
長谷部さんが説明を求めるようにこちらに目をやった。悠の説明では少し分からなかったらしい。

「俺たちの母方の家系は鬼の血を引く一族らしい。俺たちも実際にあったことはないから分からないんだ。そして俺たちはその血を濃く受け継いだ。だからこんな角が生えていて、力も回復力も普通の人間より高い。」