兄弟の進む道 (ページ2)

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こんのすけページ2

「主さまがたですね。私は管狐のこんのすけです。」

黒スーツに連れられてきた場所には狐が一匹いた。初めて見たけど、狐って話せるんだ。
俺と手をつないでいる悠も興味深げに見ている。

「ではこんのすけ、あとはお願いします」
「はい！ご苦労様です」

黒スーツが戻っていくのを見送ると悠はしゃがんで狐に触り始めた。
フワフワしていて触り心地がよさそうなので俺も触ってみたい。

「うわぁ」
「主さま!!説明をさせてください」
「説明？」
そういえば俺たちは何をしていいのか知らない。そもそも審神者とはいったいなんなんだろう。

「主さまがたにはブラック本丸と呼ばれる場所へ行っていただきます。」

「ぶらっく？」
「はい、前の主が酷いことばかりをしていた本丸です。刀剣男子達は人間を信用していないためとても危険な場所になっています。」

「とうけんだんし」

「はい。刀の付喪神です」

「つくもがみ」

聞いたことがない言葉ばかりだ。

「そこで何をしたらいいの」
「ブラック本丸を、普通の本丸と同じように機能するようにしていただきたいのです。
今まで送られてきた審神者はほとんどが命を落としています」

「俺たちは死ににいくの？」
そんなのところに行けというのは死ねということと同じだろう。

俺たちはそう簡単に死なないけど。

「お兄ちゃん....」
悠が震えながらこちらを見ている。
「大丈夫だ。狐、どういうこと？」
「時の政府は貴方がたならできると考えたのです。」

「なるほど」
思わず笑いがこぼれる。

「俺たちが鬼の子だからか」

俺たちのお母さんは鬼の血を引く一族だった。今は鬼の特徴を持つ人は殆どいないらしいが、俺たち兄弟は鬼だ。だからお母さんとお父さんがいない今、居場所何てどこにもない。お母さんの一族の居場所だって俺たちは知らないんだから。

「いいよ、行ってあげる。ただし悠が傷ついたら....どうなっても知らないから」

「っ....はい。ではよろしくお願いします」

俺たちは扉を通り本丸とやらに入った。

「何をしに来た、人間」