さよならの前に‐Hiroomi.T‐

STORY23 ページ25

み…ひろおみ…




名前を呼ばれて起きた。
寝たんだ。




広臣)大丈夫？


貴方)うん！


広臣)そっか。ねぇA？今から言うことちゃんと聞いて？



貴方)どしたの？




広臣)Aね、妊娠してるんだって。今４ヶ月。でもね、同時にHIVにもかかってるって。
今のままだと母体か子供を無くさざるを得ないらしい。



貴方)え、そんな…私、もっと広臣といたいな。死にたくない。




広臣)俺、母体を優先させてほしい。





貴方)それは駄目だよ。私を優先しても結局は死んじゃうんだよ？今ここに居る子を離したら、ここに戻ってくることは無い。それなら…それなら子供を優先して、生まれた子供を広臣に育ててほしい。




広臣) でも…




Aの言葉は一つ一つしっかりてて、とても重みがあった。




広臣)でも俺は、少しでも長い間Aと居たい。


貴方)あんまり変わんないよ。生まれた子供を、私の生まれ変わりだと思って？



本当は嫌だったけど…もしかしたらこれがAの最後の我が儘かもしれない。



広臣)わかった。明日HIROさんに言いに行こう。


貴方)うん。

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