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19 〜芥川龍之介side〜 ページ20

「……失礼します」



久々の有給が取れた日、数週間前に訪れた部屋に再びお邪魔していた。



部屋に入れてくれたオレンジ色の髪の主は僕……ではなく、その隣に居る太宰さんを嫌そうに一瞥して舌打ちした。



「ほーんと、殺風景な部屋だねぇ。やだやだ」

「人の家にズケズケ踏み込んでおいてその態度とはいい度胸だな」

「はーっ!短気なのも変わんないね。そんなんだからいつまでも身長伸びないんだよ。バーカ」

「んだと、手前!?」



とばっちりを受けぬように少し離れた場所に移動する。



あまり他所様の家でウロウロするのは良くないのであろうが、二人が勝手に始めた事なのだからそこはもうお二人のせいだということにしておこう。



「……腹が減った」



言葉通り、体が空腹を訴えている。以前に比べてだいぶ食事が苦にならなくなったように感じる。



それも、全てあの人のおかげだ。



目を閉じて姿を想像すると、柔らかな笑顔を浮かべるあの人が脳裏に浮かんだ。



光が射したように温かな気持ちと、霞がかかったような不安感が交差する。



「おい、芥川」

「芥川くん」

「「こいつどうにかして!!」」



二人に視線を戻すと、いつの間にか口喧嘩が殴り合いにまでも発展していたらしく、二人はボロボロだった。



すると二人を牽制するように叱るあの人の姿がまたしても浮かんできて、深くため息を吐いた。



偶然か必然か、数週間前に太宰さんに遭遇した時にかけられた言葉。



これが……この感情が何なのか。



「……恋」



小さく呟いた声に、再戦中の二人の動きがピタリと止まった。目を見開いてこちらをじっと見ている。



思わずたじろぐと、その合間に光の速さでこちらに飛んできた。



「……なっ、何を」

「恋って言ったのか今!」

「やっと自覚した!?思ったより早かった!」

「おい、どういうことだよ!教えろ!!」



自分の周りを囲んで五月蝿くギャーギャー声を上げる彼らに、もう一度深くため息を吐いた。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 芥川龍之介 , 文スト   
作品ジャンル:恋愛
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さくら餅(プロフ) - 紅玉さん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!無事完結させることができて心底ほっとしております。私は貴方様のコメントにギュンギュンしました!笑本当にありがとうございました!! (2021年2月7日 15時) (レス) id: 0223a8e0a3 (このIDを非表示/違反報告)
紅玉 - 完結おめでとうございます!!!!尊いのと可愛いので私はギュンギュンしまくってました!!!!(ギュンギュンとはキュンキュンの進化系です!!!!) (2021年2月7日 12時) (レス) id: 835185f078 (このIDを非表示/違反報告)
(=^・^=) - 人虎に会いたい…。  by芥川 (2020年12月1日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
(=^・^=) - 厳しいわ。 (2020年12月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
さくら餅(プロフ) - ☆天香☆さん» ありがとうございます!!すっごく嬉しいです!文ストはキャラクターひとりひとりが個性的で大好きなので、つい絡ませちゃいます笑コメントありがとうございました!! (2020年3月12日 21時) (レス) id: 0223a8e0a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら餅 | 作成日時:2019年10月4日 16時

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