赤い糸9 〜霊幻新隆side〜 ページ9
俺の方から勉強するかと持ちかけたのは良いが、思った以上にAはポンコツで勉強ができていない。
首を傾げ、シャーペンを手にクルクルと回す姿を見ると授業もぼーっと聞いてんだろうな、なんて予想がつく。
「私は文系なんですよ。理数系の応用とかできません」
「俺も文系だけど……さすがにこれはないだろ」
「霊幻さんがチートなだけですー。私ができないわけじゃないです〜」
諦めてそっぽを向いてしまったAにはぁ、とため息をこぼすと肩がびくりと震えた。
「……真面目にやるので見捨てるのは勘弁してください」
シャーペンを持ち直し教科書に向かう表情は、切羽詰まっているようだ。
見捨てるなんて、大人のすることじゃないのにな。こいつには、もっと人を信用する力が必要だ。
「ここ、計算ミスだな。律、お前ちょっと教えられるか?」
「えっ。えっと……多少なら」
中一で高校生の範囲が分かるのは相当なもんだな。モブが尊敬する理由の一つだろう。
「ごめんね、律くん?」
「いえ、大丈夫です。普段お世話になっていますしこのくらいはさせてください」
「ありがとう。なんか本当に、中学生だね」
嬉しそうにはにかむ笑顔に、心がざわつく不快感を感じる。
「師匠、ここ教えてください」
そんな感情を見ないふりして、教科書に目を向けた。
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さくら餅(プロフ) - 抹茶さん» ありがたいお言葉頂けて光栄です!!もどかしい時間が長かった分、きっと未来では二人で幸せに暮らしてます! (2019年9月2日 19時) (レス) id: d6eb335a4b (このIDを非表示/違反報告)
抹茶(プロフ) - とっっっっても面白かったです!!未来の2人が幸せに暮らしているところが自然と思い浮かびます! (2019年9月2日 19時) (レス) id: b5b208b71b (このIDを非表示/違反報告)
さくら餅(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» コメントありがとうございます。嬉しいです!応援は執筆の力になりますので頑張ります( ´∀`) (2019年5月2日 15時) (レス) id: d6eb335a4b (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - この作品もお話とっても素敵です!作者様の事陰ながら応援しています!体調に気をつけて無理をなさらずに更新頑張ってください! (2019年5月2日 15時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら餅 | 作成日時:2019年5月2日 12時