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赤い糸11 〜霊幻新隆side〜 ページ11

何かを始めればすぐに興味が失われていき、何かをやめればそれはどこにも残らない。


それは、咲いた花がやがて散っていくようなものだった。楽しい時間は束の間で飽きてしまえばそれは時効。


つまらない、刺激がないなどと嘆いても何かが変わるわけはなく平々凡々の日々を送っていた。


モブと出会って少しだけ、いや……かなり日常に変化があった。その後も除霊したりマッサージしたりで忙しない日常を過ごしていた。


そんな中で、植物を育てることにハマった俺は趣味のために近くの花屋に植物の配達を頼むようになった。


最初は綺麗な女の人が運んできたりして営業スマイルを返して愛想良くしていたが、いつだったかその娘さんがお手伝いだと配達にくるようになった。


「霊幻さん……で合ってますか?」


たどたどしくもそう尋ねてくる姿に、中学生らしさと中学生にしては大人っぽい、と印象を持ったのを覚えている。


だが実際絡んでみると、雑で愛嬌のある奴なんだと知っていった。


配達の植物を困ってたお年寄りに渡したこともあり、優しいんだがその優しさが空回りしていると苦笑をこぼす。


頭を撫でると子供扱いはムカつきます!、とムキになって反抗して。そういうとこが子供なんだろ、なんて言えなかったけれど。


無邪気な笑顔に、心が解けていったのを覚えている。


それが、今じゃ高校生になっちまって。容姿は大人っぽくなったけれど中身はまだまだ子供で少し安心した。


「あいつは……」


誰かに恋をしているのだろう。誰か、なんて聞かなくても分かる。大人は気付かないことに気付くものだからな。


あいつがもし、俺に好意を持っているなら俺はどう返すべきだろう。


未来のためなら、突き放すのが道理。でも……それは大人のエゴだとも思う。


あいつの気持ちを蔑ろにしてまで先のことを言っても潰れてしまうだけだ。


繋ぎ止めておきたい気持ちと、突き放さなければいけないという気持ちが交差する。


あの髪留めは俺の、願いだったのかもしれない。赤い糸のように繋いでおいてほしいとそう願っていたのだ。


それが、あいつの重りになってしまうなら。それは大人として……保護者として良くないだろう。


「……あーあ」


傷付けないで、突き放す方法は?

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設定タグ:モブサイコ100 , 霊幻新隆 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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さくら餅(プロフ) - 抹茶さん» ありがたいお言葉頂けて光栄です!!もどかしい時間が長かった分、きっと未来では二人で幸せに暮らしてます! (2019年9月2日 19時) (レス) id: d6eb335a4b (このIDを非表示/違反報告)
抹茶(プロフ) - とっっっっても面白かったです!!未来の2人が幸せに暮らしているところが自然と思い浮かびます! (2019年9月2日 19時) (レス) id: b5b208b71b (このIDを非表示/違反報告)
さくら餅(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» コメントありがとうございます。嬉しいです!応援は執筆の力になりますので頑張ります( ´∀`) (2019年5月2日 15時) (レス) id: d6eb335a4b (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - この作品もお話とっても素敵です!作者様の事陰ながら応援しています!体調に気をつけて無理をなさらずに更新頑張ってください! (2019年5月2日 15時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら餅 | 作成日時:2019年5月2日 12時

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