あまい短編集 (ページ9)

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腹痛石川祐希ページ9

もうすっかりお日様も昇り現在午前10時過ぎ。

祐希がなかなか起きてこない。

今日は特に予定もないからのんびりしててもいいんだけどオフの日でも９時頃には必ず起きてくるのに何かおかしい。

ちょっと心配になって寝室に入ると頭まですっぽり布団をかぶって何だか変にもぞもぞ動いている。

「う～... 」だの「ん～... 」だの何だか苦しそうな声が聞こえる。

ベッドに腰掛けて布団をペラっと捲ると涙目の祐希とばっちり目が合った。

「ど、どうしたの!? 」

「ん～... 」

「熱でもあるの？どこか苦しいの？」

「う～... 」

「祐希～言ってくれなきゃ分かんないよ？」

祐希はちょこっと布団から顔を出してうるうるした目で私を見つめて口を開いた。

「あのね… 」

「うん？」

「あのね、すっごくお腹痛い... 」

「え？大丈夫？」

「痛すぎて泣きそう... 」

泣きそう、と自分で言った途端本当にボロボロと涙がこぼれ出した。

「え!?ちょっと本当に大丈夫!? 」

「分かんない...すっごい痛い... 」

「何か変なもの食べた？」

「ん～...... あ、そう言えば練習中に日当たりのいいところにおにぎり置いてたの忘れてて大丈夫かなって思って食べた... ちょっと変な味したかも... 」

「絶対それだよ...なんで食べたの... 」

「だってお腹すいてたんだもん… 」

A～～...と苦しそうに私の名前を呼んで抱きついてくる。

「もう食べちゃだめだよ？」

「ぐすっ...うん... 」

祐希の頭をよしよし、と撫でると「お腹さすって」とおねだりしてきたので祐希のお腹をよしよし、とさすった。

「 Aの手気持ちいいね... 」

「どう？お腹痛いの治ってきた？」

「ん～ん...まだ治んない... 」

「そっか...トイレは大丈夫？」

「今のとこお腹グルグルいってないから大丈夫... 」

どのくらい祐希のお腹をよしよししていただろうか...

いつの間にか祐希はまた寝てしまっていた。

さっきは苦しそうに眉間にシワが寄ってたけど今は大分楽なのか穏やかに寝息をたてている。

涙の跡が残った頬にキスをして私も目を閉じた。

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( A！お腹痛いの治った！ってどうしたの？ )

( 変な体制で寝てたから腰が痛い... )

( じゃあ次は俺が撫でてあげる！おいで！ )