あまい短編集 (ページ12)

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寒い朝に石川祐希ページ12

今日は朝から真冬のように寒い。

10月半ばだから寒いのは当たり前なんだけどこんなに寒かったっけ...とぶつぶついいながら身を縮めてリビングに向かう。

冷たくなったリモコンを掴みテレビの電源をいれると綺麗なお姉さんが寒そうにお天気のニュースをしている。

やっぱり今日は寒くなるのか～と嫌になりながらマグカップに牛乳をいれて電子レンジでチンする。

冷蔵庫の中を確認して朝ご飯に使う食材たちを取り出しているとバタバタと大きな足音が近づいてくる。

「寒すぎなんだけど！？！？」とキッチンに現れたのは毛布をぐるぐる巻きに体に巻き付けた祐希。

「ちょっと何その格好」

「だって！寒いんだもん！てか笑わないでくれない！？」

大きな体をブルブルと震えさせて何だか面白い。

「はいはい、分かったから。ご飯できたら呼ぶからまだ寝ててもいいんだよ？」

「え～やだ」

「じゃあテレビでも観てて」

「 Aといる」

「ほら、わがまま言わない」

「 Aといるから！」

駄々をこねながら私のことを毛布で抱きしめてきた。

「ちょっ！ご飯できないんだけど！？」

「あ～Aぬくぬくだね... 」

話を聞かずに少し身を屈め私に頬ずりをする祐希の頭に軽くチョップをいれる。

「痛くないよ？」と言うので「わざと痛くしてないの」と言うと「えへへ優しいね」なんて人懐っこい笑顔で私にスリスリと頬ずりするもんすっかりご飯を作る気力をなくしてしまった。

「ホットミルク、祐希のも作ろうか？」

「うん！のむ！」

既にレンジの中で冷えてしまった私のホットミルクともうひとつ、祐希のホットミルクをもう一度レンジにかけて２人で体を寄せあってその前で待機。

１分ぐらいで出来上がって２つのマグカップとハチミツを持ってテレビ前のソファに移動して仲良く寒い朝を過ごした。

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( もうちょっとハチミツほしい... )

( はい )

( え～Aが入れてよ... )

( それぐらい自分でいれなさい )