好きなのに(s.s) (ページ23)

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22.突然ページ23

Aからの連絡はすぐにあって、来週の金曜にAとニノの3人で会うことになった。

【カズも楽しみにしてるって】というAからのメッセージに、ニノの優しさを感じる。

ニノはいつも俺を気にかけていてくれた。
それなのに、俺はニノの優しさを踏みにじったよな…

「謝らなきゃ…だよな」

.

来週の金曜まであっという間で、仕事の忙しさもあって、気づいたら当日だった。

「櫻井、これ届けて来てくれ。そのまま直帰でいいから」

そう上司に言われて書類を無事に届けて、時計を見ると、約束の時間には早くて近くのカフェで時間を潰す。

注文したカフェラテを受け取って、窓際の席に座る。
ずっとカバンに入れてるけど、最近読んでいない本を取り出した。

しばらく読みふけっていると、ブブッとスマホが震える。

【お疲れ様！今、仕事終わってお店に向かいまーす。1時間くらいかな？】

Aからのメッセージに緩む口元。

【お疲れ様。俺は仕事終わってカフェにいる。気をつけて】

【ありがとう！カズは今日、オフだって言ってたよ】

2人はお互いのスケジュール知ってるんだ。
いや、Aが今日のスケジュール調整したから当然か。

なんて、Aとニノの関係に少しモヤッとしていたら、窓をコンコンと叩かれた。

パッと見ると、キャップを被ったニノが笑顔で手を振っていた。

「に…ニノ」

「久しぶり、翔ちゃん」

俺が驚いていると、ニノはカフェに入って来て、まっすぐ俺のところに来た。

「久しぶり…びっくり、した…」

「ね、俺も。歩いてたら、翔ちゃんがいるんだもん(笑)」

くふふ…と笑うニノは昔と変わらず可愛らしくあざとい。

「翔ちゃん、もう仕事終わったの？」

「あ…あぁ、直帰でいいって…」

突然の登場に気持ちがついていけなくて、言葉が出てこない。

「翔ちゃん、会わない間に日本語不自由になった？(笑)」