好きなのに(s.s) (ページ14)

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13.連絡ページ14

その日はたまたま実家に帰ってきた日だった。
お袋に俺の部屋を片付けるように言われ続けていたのを聞き流していたのが、ついこの間「いい加減にしろ」と怒りの電話が来た。

渋々、実家に戻って来たんだけど

「お兄ちゃん、ちょっと買い物付き合って？」

「はあ？それが目的？」

俺の部屋は片付いていて、待っていたのは年の離れた妹だった。

「嫌だよ。1人で行けよ」

「はー？お兄ちゃんの部屋片付けたの私なんだけど？すっっごい汚かったんだからね」

「そ、それは…申し訳ない」

グチグチ言ってくる妹に負けて買い物に付き合うことになった。

.

「ねーえ、お兄ちゃんはAちゃんと会ったりしてないの？」

「ブホッ…はっ…なに、急に」

いきなりAの話をされたから、飲んでいたコーヒーが気管に入って吐き出しそうになると「え、汚い」と引かれた。

「ほら、今、Aちゃん超人気じゃん？久しぶりに会ってみたいなーって。連絡先知ってるんでしょ？」

「…知らないことはないけど、連絡は…」

俺が「連絡はしない」と言おうとすると、それを遮って「やっぱり！じゃあ、今すぐして！ほら、スマホ貸して」と強引にスマホを奪われる。

「ちょっ…やめろ！…分かった。するから、するからスマホ返せ」

勝ち誇ったような顔をする妹からスマホを返してもらい、少し緊張しながらAの連絡先をタップする。

「………」

仕事中かもしんないし、メッセージにしとくか。

【久しぶり。翔です。この間はありがとう】

話題もなく、この間の仕事のお礼を打つ。

「送った？送った？」

「…送ったよ。ほら」

送ったメッセージを見せると「お兄ちゃん、つまんな」と貶された。

「はっ！？つまんなくないだろ」

「つまんないよ。『会いたい』くらい送りなよ」

そんなの送れるわけねぇだろ！！

「ね、絶対会う約束してよ？私、Aちゃんに会いたいんだから」