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、
あれから数日が経った
学校が終わって帰りに寄り道をしていると
街で懐かしい匂いがして振り返る。
なんだ、誰もいないじゃん。
ふとショーウィンドウに写った自分をみると
あることに気が付いた。
「…なに、これ?」
首元を見ると薄らと小さな
痣のようなものが残っている
最近友だちと話しててもよく首元に
視線感じるなーって思ってたけどこれが原因か!
なぁんか、キスマークみたいだなぁ〜
その時チクリとした甘い痛みを思い出した
…秘密基地、
なぜだか分からないけどふと小さな時のことを
思い出してあたしは入院していた頃によく
ひとりで遊んでいた公園へと向かった
公園に着くとあの頃と何も変わらない
自然がいっぱいであたたかなやさしい香りがした
まだあるのかなって秘密基地へ向かうと
そこも何も変わらず
あたしが大きくなったからか
少し小さくなった秘密基地があった。
「わぁ、懐かしいな〜
ここでよくかくれんぼしたっけ…」
秘密基地のなかで小さく膝を丸めて座ると
そのカベにはたくさんの落書きがあった
なんかおもしろくってそれを一つ一つ
読んでいるとあるひとつの落書きに目が留まる
"いつかまたあおうね
ぜったいあいにいくからね
やくそくだよ "
そこのカベだけなぜか少し凹んでいて
蓋のようになっていた
それを開けると小さな可愛い箱が入っていて
思わずそれを手に取ってしまう。
開けると 小さなころに大好きだった
男の子がいつもくれたやさしい香りがする
かわいいお花がドライフラワーとなり
レジンの中に入っている指輪があった
それを見たあたしはあの暗闇での
夢のような出来事を思い出し涙が溢れた。
「やくそく、守ってくれたんだねっ
…たくみくんっ」
fin.
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名前 - すごく感動しました! (2018年4月22日 7時) (レス) id: 28d325b79c (このIDを非表示/違反報告)
なっぴぃ(プロフ) - poripiさん» こちらこそ!読んでいただきありがとうございます!そう言って頂けて本当に嬉しいです。また他にもいくつかお話作ってるのでそちらも読んでみてください♪コメントありがとうございました! (2018年4月19日 22時) (レス) id: faae36cc06 (このIDを非表示/違反報告)
poripi(プロフ) - なっぴぃさん、こんにちは。この作品、今まで読んだ中で1番切なくて苦しかったです。でも、すごくいいお話でした。短編で読みやすかったし、内容も本当に面白かったです!ありがとうございます! (2018年4月19日 7時) (レス) id: 5e5157d8c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっぴぃ | 作成日時:2018年4月15日 11時