君にLOL! (ページ34)

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、

決勝戦の試合が始まると
さっきまでの試合とは比べ物にならないくらい
お互いのチームが本気でボールが回るペースが違う

北村くんばかりに注目していたけど
橘くんもすごくバスケが上手で。

お互いのクラスが交代でシュートを
決めている感じで、橘くんも
何度かシュートを決めていた。

だけど、

だけどあたしはどうしても北村くんの
シュートが見たくて、思わず両手を
握りしめて北村くんを見つめる

その時決して目は合っていないけど
北村くんが小さく笑った

するとその瞬間また北村くんに回ってきた
ボールを彼はドリブルでバスケットの近くまで
運ぶわけでもなく誰かにパスするわけでもなく
その場からバスケットに向かって投げた

『え…、』

｢やばい！｣｢かっこいいー！｣
｢北村くんすごーい！｣

今まで一度もシュートを決めることはなかった
彼だけどそんなの、ずるい。

得点が入った嬉しさよりも
彼がシュートを決めた嬉しさよりも
ただただ、かっこよくて動けなくなった

気付けば試合は終わっていて
クラスメイトがみんな北村くんに寄って行ってた

女の子達もキャーキャー言っていて
ふと橘くんを見るとほんとにすごく悔しそうな顔をしていた

音｢行かなくていいの？
北村のこと誰よりもずっと見てたじゃん｣

最近あった北村くんとの出来事は話していないけど
2年生になってからずっと見ていたことを
知っている音ちゃんが行かなくていいのかと
聞いてくる、けどやっぱりその場から動くことはできなかった。