【npr】日常と問題児

22.猫 ページ24

翌日、昨日の家事で疲れた私は授業時間の合間に隙あらば突っ伏していた



するとそこに


｢秋浜。今日はここ行こう｣


前方から声が聞こえてきて
ガバッと起き上がる

｢何？｣

少し驚きながら笑うはっちがいて
絆されないように、絆されないようにと

｢ちょっと、家事が忙しいから、今日は無理かも｣


断った




でも


｢ここだけど、行かない？｣


なんて首をかしげられて
スマホの猫カフェの画像を見せられ


｢はい、行くよね行こう｣


強引に決定されたら


断れない性格なんですよね







｢嫌いなの？｣


せっかく来たんだからはっちが寮のこと嫌いなのか聞かないと…


｢え？私は好きだよ！｣


｢だよな俺も猫好き｣


子猫を抱いて無邪気に笑うはっちは普通の男の子で

｢うげ、制服に毛ついた。ブレザー脱いだ方がいいよ｣


そう言ってブレザーを貸せというジェスチャーをする


…普通に気の利く優しい人で


｢嫌い？｣


｢は？｣


｢寮の人｣


｢だからその話は｣


今度は私が中断する

｢はっちが、居心地悪いだけなら、私が居心地がいい場所にするから、帰ってこない？｣

私が言いたかったことをすべて言えた


｢…はぁ。俺が嫌いっていうか俺が嫌われてるだけだから秋浜が気にする必要ない｣


観念したように話し始めたはっちの言葉は
訳が分からなくて


｢へ、誰も嫌ってないと思いますけど｣

変な口調になって




｢蘭に、嫌われてるから。俺｣


はっちも変なことを言った

23.本当は→←21.甘党

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す