【npr】日常と問題児

18.灰【はっちside】 ページ20

※この話には未成年が煙草を吸うシーンがありますが犯罪を助長するものではありません。



｢知ってる？1つ上の鉢川先輩｣


｢あ！知ってるよ！超雰囲気あるよね｣


｢なんか噂なんだけど、年下が好みらしくて、頼んだら抱いてくれるんだって！｣


｢え〜なにそれ…私はやだなぁ｣

｢私はあんなカッコいい人と出来たらしたいよ〜｣


そうそう、女子だってシたい気持ちはあるよね

そりゃあ男子程露呈してるわけじゃないから知らないだけだよ。
個人差はあるけど、ないとおかしいよね。




だって男にしかそういう気持ちがなかったら…できないじゃん？





やっぱ合意の上じゃないと犯罪だし



…寂しいし。



カチッと親指をスライドさせて火をつける

もう使いすぎて手に馴染んだライターを口に近づける


犯罪行為はしたくないといったそばから犯罪行為に手を伸ばす



夕方だけどもう寒さなんてない4月下旬の空


夕焼けに向かって肺いっぱいに吸い込んだ煙を味わいながら吐く


煙草の火が夕焼けと同じ色で

溶けて、灰が落ちて、


ああ、自分は灰の様だと自嘲して笑った


灰は灰皿に受け止めてもらわないと、火事になるから


そう理由づけて



今夜も女の上で灰になる。

19.直接→←17.優等生

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す