【npr】日常と問題児

13.過去【すぎるside】 ページ15

人より少し体格が良くて


人より少し目付きが悪くて


人より少し正直者


それだけで喧嘩を売られ買ってきた


別に争いが好きなわけじゃない

嫌いでもないけど…

平和な世に反抗する奴はたくさんいて
そいつらが俺に向かってくるだけや


力に執着はないが他人にはもっと執着なんてない

自分から喧嘩を売らない代わりに
売られたからには次がないように容赦なく殴った。

その姿が悪い噂を呼び続けた


そんな噂気にしてへんかった

勉学で認められない代わりに
喧嘩は強いと認められなんとなく誇らしいまであった。


そのうち俺の強さに引かれた男や女が寄ってきた。

男達は俺の強さを認めリーダーにした

女達は俺の強さに惚れ抱かれたがった


興味があるのは俺自身じゃなくて俺の力だった。
それが始めは嬉しくて求められるがままに過ごしてきた



ある時俺自身を求めてくれる女が現れた。
アホな俺はその時やっと仲間も女も俺が欲しいものではなかった。
欲しがられてる光景が気持ちよかっただけやと気づいた。

その女はさゆみって言ってAに似とるんよ


おん、幸せにしたるって約束して毎日が楽しかったよ
その幸せと引き換えに仲間を失ったけどな

仲間は俺、リーダーを失って恨んだ。

さゆみが悪いと。

さゆみを消そうと。

さゆみから別れさせようと。


そう、全部俺が悪いのにな。

仲間達はさゆみを脅して、別れさせようとした

さゆみは強い女だから屈しなくて

それが仲間達の逆鱗に触れたんや

…冷静に考えたらわかることやし、俺がその時そばに居れば、守れたはずやった




さゆみは人気のない倉庫で何人もの男に…。



罪悪感を感じ逃げてきた奴から聞いて辿り着いた時には遅かった。


さゆみは壊れて
その隣で狂った俺は殺すつもりで殴りかかった。



ほんま今でも殺したいくらいや。
誰かがやばいと警察を呼んだのだろう
そいつらが死ぬ一歩手前で俺は止められた

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