*:.｡. プロ野球 短編集 *･.*

｜山田哲人｜ ページ47

「あいりもあれ着たん？」


「え？」





２人でテレビを見ているとき、
ふいに哲人がそう言った。







あれ、といいながら指差す先を見ると


「…袴？」


「おん。」









３月は卒業シーズン。



このところは
街で卒業式を迎えた学生さん達をよく見かける




上京して東京の大学に進学した私も、
数年前の今頃はそのうちの１人だった。







「着たよ、大学の卒業式で。」


「ふーん。」


「なにその反応。笑」







自分から話を振ってきたくせに
曖昧な返事をした彼は、
そのまま私の肩に頭を乗せてきた。







そして小さな声で一言



「無いん？袴着とる写真。」









哲人が出会ったのは、
私ももう仕事に就いた後だったから
学生時代はお互いをまだ知らなかった。


だから当然
私の袴姿を哲人は見たことはない。


というか、今まで私たちの間にそんな話題出なかったもんなあ。笑







「あるけど… 見た「え、あるん！？」








哲人はダメ元で聞いてきたのか、
すごい食い気味で詰め寄られて

その勢いに圧倒されるがまま、卒業式の写真を見せることに。







大学生の頃の写真なんて自分でも久々に見るし、なんか恥ずかしくなってきた







「ねえ、本当に見るの？」


「見るで。ここまで来てもったいぶらさんといてや。笑」







そう言って
あっさり私の手から写真を取る哲人。




何も言わずに
じーーっと見つめてるから、こちらの恥ずかしさは増す一方で





「何か言ってよ。笑」





彼の隣に座りなおして問い掛けるけど
ずっとそのまま。









だけど、そのあと




「、、めっちゃ可愛いやん。」







聞き返す前に
顔が真っ赤になってしまったのが自分でも分かるほど。







「もっと早く会うてたら
このあいりの見れてたとか考えると悔しいなあ。

でもまあ、いま一緒に居れるだけでも十分幸せやけど。」





私のほうに体重を掛けながら
ぶつぶつとそんな嬉しい言葉ばかり並べてくる哲人に
こっちのドキドキは増す一方で、




それを隠し紛らわすために
サッと彼から写真を取り上げた。








お久しぶりの山田哲人選手 ( ˆoˆ )/


卒業シーズンが終わる前に
更新しておきたかったお話です！

この春卒業式を迎えられた方
おめでとうございます☆


そして嬉しいことに
またいくつかリクエストをいただいたので、
今日の夕方(もしくは夜)から
またリクエストのお話をアップしていこうと思います٩( 'ω' )و

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