*:.｡. プロ野球 短編集 *･.*

｜小林誠司｜ ページ4

「はい、誠司。」



今日は2月14日。


そう、バレンタインデーです。




「くれるん？ ありがとう。」
「どういたしまして。
おいしく出来てるといいんだけど…。」
「あいりの料理、いつもめっちゃ美味いやん。」





どんなチョコを作ろうか迷ったけど、



きっとファンの方々からも沢山チョコをもらってくるだろうと思って、
食べやすいトリュフチョコを6つ作って箱に詰めた。




渡すのに緊張しているのは
今日が付き合って初めてのバレンタインだから。



いつも私の作ったご飯を「美味い」って言いながら食べてくれる誠司だけど



思い返せば お菓子を作って食べてもらうのは初めてだし





やっぱりバレンタインは特別というか。





…女の子ならわかるよね？笑








「開けてもええ？」
「うん、どうぞ。」



チョコの入った小箱を受け取ったときから
ずっと目をキラキラさせている彼が私に問う。




「これほんまに手作りなん？
めっちゃすごいやん！」




蓋を開けて中身を見た途端、
満面の笑みでそんなことを言う誠司に思わず笑ってしまった。





ココアパウダーをかけたトリュフを１つ持ち、口に運ぶと




「めっちゃ美味い！
食べるのもったいないわ笑
あいりほんまにありがとう！」



喜んでくれた誠司を見て
私も嬉しい気持ちでいっぱいになる。





あと2個や〜、

もうこれで最後なん嫌やわ、




なんて独り言を漏らしながら
トリュフを6つ食べ終わった誠司。





「喜んでくれたみたいで良かった。
渡すの緊張したんだよ？笑」




少し照れながらそう伝えると


誠司の腕が優しく私を包む。




「実は少し前から楽しみにしててん。
手作りやったら最高や、とか思ってたんやで？笑
そしたらほんまに作っててくれたから
どないしよ思たわ笑」




誠司もまた照れた様子で言った。




「また来年も作ってな？」
「気が早いから笑 でもいいよ。楽しみにしててね？」





2人で過ごす初めてのバレンタインデー



きっと来年も素敵な1日になる









「誠司さん、ファンの子からチョコもらってたんやけど、

『あいりからチョコ貰うまでは食べへん。』

の一点張りやったんやで？笑」




慎吾くんからこんな裏話を聞くのは


これから数日後のこと。






ちょうどバレンタインデーだということで、
小林選手でお話を書かせていただきました
(*´ `*)

Happy Valentine !!♡

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