色が舞う (ページ2)

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第一の部屋：紅ページ2

おやおや…A様はこの部屋に誘われたのですね。この部屋は…ちょっと過激かもしれないですね…。では…『紅の部屋』お連れしましょう。
ここからはA様が主役です。

Aは鳥居がたくさんあるとこに来ていた。
そういえば…『紅の部屋』だかに入ったんだっけか。
「おやおや…話に呑み込まれない方は初めてですね…。」
栗生とだか言ったかな？感心したようにこっちに来た。いま一番危険人物はこいつだろう。
だが…こいつの言動は…意味深だ。
「気楽にお話の流れに身を任せてくださいね。さもなくば、他の方々と同じくここに捕らわれることになりますから。」
「捕らわれる？」
「はい。」
どうやら…お話の中ではあるが…現実も巻き添えらしい。
そんなのことを考えてると何処からか歌が聞こえてきた。
“と～りゃんせ～と～りゃんせ…”
「また来ましたか。」
一体なんだというのだろうか。この歌は童謡のとうりゃんせ。この歌と紅がどう関係してるのだろうか。
「一体何が起きてるんですか？」
「切り裂きとうりゃんせ。ご存知ないですか？」
知ってるも何も…そんなものがあるのかさえ知らない。
「切り裂きとうりゃんせは迷い込んだ方々を切り裂き、それを快感とする…化け物です。」
悪質だ。
「A様はこの部屋を切り抜けられそうですね。ここに来る方は皆揃って亡くなるを目論む方達でした。貴方は…違うみたいですね。」
当たり前だ。何がともあれ死にたくてここに来たわけではない。簡単に迷い込んだだけだ。
「にしても、何でとうりゃんせが流れるんです？」
「切り裂きとうりゃんせですからw」
そんな説明で通るかよ。こいつ…訳がわからん。童謡のとうりゃんせの最後は…
「“行は良い良い、帰りは怖いでありマス”」
何かと同時に歌い終わった。
首元にはハサミの先のような…鋭いものがあった。紅に染まった大きな鋏。
何かの気配は消えた。一体何がいたというのか。栗生とだかが言っていたのは“切り裂きとうりゃんせ”。もしそれが現れたとするなら、どうして消えたのか…。取り敢えず、命は救われたらしい。
「切り裂きとうりゃんせは自分より先に歌い終わったのが悔しかったみたいですね。“とうりゃんせ”の最後のフレーズって覚えてないものですし。」
「いままでの人は歌えなかったのですか？」
「はい。曲自体知らない方もいらっしゃいました。」

紅の部屋はどうでしたか?A様。この後も色んな部屋がございます。お楽しみに…