眠り姫 (ページ4)

今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:26,150 hit

50 ページ4

翔太 side

家に赤ちゃんがいるってこんな感覚、

そう思い出すのに時間はそうかからなかった。

夜中に起きてはベビーベッドで大泣きする陽菜。

　

『ん…まってね…』

って眠い目を擦りながら陽菜を抱っこする(人1)を置いて寝ることはできなくて。

だってきっと(人1)は俺以上にしんどい。

起きて朝ごはん作って、

陽樹を保育園に連れてって、

陽菜の面倒を見て、

陽樹を迎えて、

晩ご飯作って食べさせて、

風呂も入れて、寝かして。

女優復帰の打ち合わせとかもしてる。

その上に夜泣き。

手伝えることは手伝ってるけど、
仕事が忙しい今家にいる時間はあんまり多くない。

渡「寝そう？」

『もうすぐ寝るかな…このまま抱っこで寝かすかも。
寝ていいよ、うるさかったらリビング行くし』

渡「いや、そんくらいなら俺が行くから、
てかまず行かないから」

なんて夜中2人で話すことも増えた。

子どもが生まれてから2人きりの時間が減った分、
実はこの時間がめちゃくちゃ大事だったりする。

明日の仕事の入り時間が早い、とか、

(人1)の仕事復帰の時期の話とか、

陽樹が保育園で喧嘩した、

陽菜が今日はどういう1日を過ごした、とか。

話し込んでいたら、
ヘッドボードにもたれかかって陽菜をあやしてたはずの(人1)はコクコクと船を漕いでいて。

陽菜を抱いて、

(人1)を寝かせて布団をかけて、

今日は代わりに俺が陽菜をあやすことにした。