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翔太 side
スタッフが病院に連絡してくれてたみたいで
着いたらすぐ診てもらえた。
法定速度ギリギリで飛ばしてたけど
着く頃には(人1)の手はびっくりするぐらい冷たくて
唇は紫で。
医者には診た瞬間、
どうして救急車呼ばなかったんですか!
って怒られた。
医「こちらでお待ち下さい」
ってベンチの前まで案内されて大人しく座る。
一瞬のことで何が起こったのかあんまり覚えてなくて
少し赤くなった自分のTシャツが嫌に現実を物語っていた。
冷静に考えたらそりゃ救急車呼ぶべきだよな…
でも俺だったら呼ぶなって言うだろうな
だって他にも演者はいる。
迷惑はかけたくないし、心配もされたくない。
救急車に乗ってる医者は大体男だから恥ずかしいのもあるし、
撮られたらまずいって思ったのかもしれない。
そう考えたら呼ぶなって言った(人1)も、
呼ぶのをやめたマネージャーのことも怒れない。
だって俺だって呼ぶのやめたわけだし…
マネージャーからきた連絡を返したり、
ママに迎えを頼んだり、
服の着替えを取りに家に帰ったりしてるうちに処置室の扉が開いた。
医「処置が終わりました。
奥様ももう起きられています。
少しお話ししたいことがございますので、こちらに来ていただいてよろしいですか?」
医者の話し方は昔出たドラマみたいで
何かあったんだな、って。
処置室に入ると酸素マスクをつけてる(人1)。
ふわっと笑われるけど、
酸素マスクをつけてるだけで
まるで重病人のような気がして、気が重い。
そのまま椅子に座らされて医者と向き合う。
医「本日渡辺さんの処置をさせていただきました、○○と申します。
今は点滴で熱を抑えて、結構な量の出血が見られたので輸血で血液量を補っています。
簡単な処置の後、簡単な検査として血液検査をさせていただいたんですけども、
少し白血球と血小板の数値が高いのでもう少し大きな病院を紹介させていただきたいんです。
どこか指定の病院はございますか?」
こいつ説明する気あんのか?
早口だし数値がどうとか、わかんねぇし、
どっか悪いのか聞こうと思ったときに遮る声。
渡「あの、『どこが悪いかも、みたいなのはまだわからないですか?』」
医「明確な診断はできません。
ただ、
大きな病気の可能性があります。」
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作者名:じゅりな | 作成日時:2020年6月11日 19時