眠り姫

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医「おめでとうございます、今週で7週目になりますね。」




おめでた、だった。


そういえば今月来てない例のもの。

忙しすぎて気がつかなかったけど、言われてみれば心当たりはたくさんあった。

貧血気味だったり、いつも好きなものが食べたくなかったり、吐き気がしたり。



病気だったらどうしよう、仕事が止まる、翔太にも迷惑をかける…なんて考えていたのが嘘みたい。


お腹に翔太との子がいる、それだけで心があったかいような、心が強くなる気がして。



翔太喜ぶかな？

パニックにならないかな？

過保護が増すだろうなあ…笑

いつ言おうか、お昼休憩に電話しようかな？

家に帰ってきてからにしようかな？

女の子だろうか、男の子だろうか。

なんて名前にしようかなあ…



いっぱいいっぱいワクワクが溢れてきた。



さっきまで体調が悪かったはずなのに、
一気に元気回復。



赤ちゃんができるってこんな気持ちなんだ…って不思議な気持ちになった。


医「ちょっと悪阻が酷そうだから旦那さんにも協力していただいて、元気な赤ちゃんが産めるように一緒に頑張っていきましょう！」


優しいお医者さんで、仕事に理解がある方だったから世間に出るまでは名前も違う名前で呼ぶと言ってくれたし、

旦那さんが来れる日はお車の中で待っていただいて順番が来次第、従業員入り口から入ってください、なんて言ってくださって。



ここの病院で産みたいなって思った。




『よろしくお願いします…っ！』






あとは翔太に言うだけ。

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