086 ページ47
.
茶目っ気な澄んだ瞳が、
何かを言いたげにゆらゆら揺れている。
思ったより近い距離に緊張していると、
すっと彼の左手が伸びてきて、私の頬に優しく触れた。
小 ｢ …… 俺も狙っててんけどなぁ ｣
『 はい？ 』
小 ｢ …… いや、なんでも ｣
無意識だったのか、のんちゃんは少し慌てたようにパッと手を離して私から距離を取る。
近すぎて、息が仕方が分からなかった。
だってあの推しがだよ？目の前に居るんだよ？？
死なない方が可笑しいでしょ。
そんな私とは対照的に落ち着いた様子の彼は
ふぅ、と息を吐いて私の顔を真剣な顔で見つめた。
小 ｢ …… 聞いて欲しい話が、あるんやけど ｣
初めて見た、彼の顔。
弱くて、脆くて、繊細な表情。
ただの勘違いかもしれないけれど、
多分これが本当の彼なんだろうなと思った。
『 断ったら小瀧さん、怒りそうなので……。
私で良ければお聞きします 』
のんちゃんの様子から、多分楽しい話じゃないんだろうな、と察する。
だから少しでも話しやすいようにと、もしかしたら余計なお世話だったかもしれないけれど、少し戯けて見せた。
そんなふざけた様子の私を見て、のんちゃんは少し目を見開いた後、ふっと下を向いて笑った。
呆れられちゃったらどうしようって少し思っていたから、｢は？｣っていう顔されなくて一安心。
それに、
小 ｢ さすが中間担 …… 分かってるやん ｣
そう言ってニヤリと口角を上げる彼が、私の大好物。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 325人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねね(プロフ) - ゆきまろさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても心強いです！これからも不定期更新にお付き合いくださると幸いです……。 (2021年4月5日 16時) (
レス) id: 0fd20d6e61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきまろ(プロフ) - わぁぁっ！更新ありがとうございます！嬉しいです…！！無理せず、これからもご自分のペースで！応援してます！突然すみませんでした！ (2021年4月5日 1時) (レス) id: fd73da006f (このIDを非表示/違反報告)
きりぎりす@きぃ(プロフ) - のんさん» わわっ！返信が遅くなりすみません……。ありがとうございます、頑張ります！！ (2020年8月15日 1時) (レス) id: 0fd20d6e61 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - このお話好きです！更新お待ちしてます（無理のない程度に...） (2020年8月4日 13時) (レス) id: dc321bd858 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nameless | 作成日時：2020年7月29日 13時
