098 ページ12
.
そーっと部屋から出ると、
ネクタイを少し緩めたワイシャツ姿の淳太くんが
濡れたジャケットをハンガーに掛けて干していた。
｢あれ、今日は雑誌か何かの撮影ですか？｣と
思わず聞きたくなってしまうほど格好良くて、
ぼうっと見惚れてしまった。
中 ｢ あれ、もう上がったん？ ｣
『 …… あ、はい！お先にありがとうございました 』
中 ｢ ふっ …… どしたん、そんな隅っこに突っ立って。
もっとゆっくり入って良かったんに ｣
『 私はもうほかほかなので。
…… 淳太さんも、ゆっくり温まってきてください 』
中 ｢ ん、そうするわ ｣
淳太くんの後ろ姿を見送ってから、
大きな革張りのソファにそっと腰を下ろした。
『 すご …… 、ここで寝られそう 』
革なのになんでこんなふわふわなのってくらい
ソファに身体が沈み込む。
ベッドはもちろん淳太くんに使ってもらうとして
私は何処で寝ようかと頭の片隅で考えていたけれど
このソファで全然良いや。
試しに肘掛に頭を乗せて横になってみれば、
もうこういうベッドなんじゃないかと思ってしまうほど
寝心地が良かった。
家に欲し〜 …… けど高いだろうな〜 …… 。
…… さん、や …… さん。
遠くで誰かに呼ばれてる気がして、瞼を押し上げた。
中 ｢ あ、起きた。
もー、なんで髪の毛も乾かさずに寝るん。
風邪ひいたらどないすんねん ｣
視界に飛び込んできたのは、少し怒り気味の淳太くん。
え、かわいいなにこれ、夢？
中 ｢ 夢？やないわ。
…… もー、乾かしたるから起きてや、｣
『 え …… あ、え？はい 』
身を起こせば、淳太くんはソファの背後に回った。
何が起きてるの？
ブォォオという音と共に、
私の少し傷んだ髪の毛の間に優しく手が差し込まれた。
流石に爆死案件じゃない？これは。
髪をわさわさしている淳太くんの手から、
最大限気を使ってくれているのが伝わってくる。
『 しあわせすぎる …… 』
中 ｢ なに？今何か言った？ ｣
独り言が大きすぎたのか
淳太くんが聞き取ろうと後ろから覗き込んできた。
『 な、何でもないです …… ！ 』
反射で横を向いてしまったけれど
あまりにも顔が近すぎて
慌てて真正面に向き直って、大きめの声で返事をした。
どうか、顔が真っ赤な事に気づかれませんように。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nameless | 作成日時：2021年10月20日 17時
