蝶が二十九羽 ページ35
蝶side
咄嗟に動いてしまった。これ以上、誰かの血は見たくない。
爆弾で当にボロボロになった白衣を血の赤が染めていく。
鏡「私は鏡花、三十五人殺した。一番最後に殺した三人家族。父親と母親と男の子。夜叉が首を掻き切った。」
鏡花ちゃんは自分の着物を広げた。そこには爆弾がついている。
ーー懐かしい、貴方と一緒
古い、古い記憶が甦る。あまり、思い出したくないことまで全て流れてくる。
蝶(あぁ、似てるんだ。)
僕は彼処で死ぬつもりだった。
不死と云うのは死なない。逆を云えば死ぬことが出来ない。
ーー貴方の能力は私を作った。私が生きてる内は貴方は死なない。死ぬことが出来ない。
鏡「私は鏡花、三十五人殺した。もう、これ以上一人だって殺したくない！！」
それが彼女の本音。
僕は痛みを忘れて動き出した。
鏡花ちゃんを止めるために。
蝶「待って！！」
電車の外に出る。芥川君は爆弾を爆発させようとしている。だが、そんな事をしたら彼女が死んでしまう。
僕は鏡花ちゃんを空中で抱き締めた。あとから敦君も来る。
蝶「異能力、想像世界の物語！！！」
僕は想像する。爆発しない未来を。
ーーあーあ、使っちゃった。
爆発しない爆弾を敦君が引き剥がす。
そして、三人仲良く海へ落ちた。
遠くで声が聞こえた。
与「敦ッ！！！」
敦「ケホ、ケホ。大丈夫ですか？蝶さん。」
蝶「僕はね。彼女は？」
鏡花ちゃんも生きているようだ。
敦君はほっとしたように肩をおろす。
鏡「あの…。」
蝶「あちゃー、寝ちゃったね…。」
鏡「……どうすれば…。」
困ったような口調の鏡花ちゃん。
蝶「大丈夫。そのままにしてればきっと大丈夫。君の未来は明るいよ。そっちでもやっていける。間違っても、人を殺したら駄目だよ。黒に逆戻りしたい？じゃあ、僕はここで。また、会ったときはきっと敵だよ。頑張ってね。」
僕は鏡花ちゃんにずぶ濡れの白衣を掛けた。冷やしたら駄目だと思った僕なりの配慮だが…。
ーー貴方はこれからずっと、ずーーーと､私のものだよ。
蝶「うるさいなァ〜、わかってるさ。」
僕はとにかく着替えたいし、寝たかった。
蝶「三日間の徹夜でこの仕打ちはないよ。酷い…。まだ、これから報告書書かないと。今日も徹夜だなぁ。」
頭を抱えながら、僕は帰路に着いた。
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夜桜 - はらさん» 注意してくれて有難う御座います。今後ともよろしくお願いいたします。 (2018年5月10日 8時) (
レス) id: b341bfb04d (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月9日 20時) (レス) id: 352846e209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜 | 作成日時：2018年5月9日 18時
