【呪術廻戦】夏油傑と(不本意ながら)婚約しました

17.五条に聞かせてやりたいよ…… ページ19

「じゃあ、早速行こうか？」

傑くんに出された手を取り歩き出す。
最近はなんだか手を繋ぐことにも躊躇がなくなってきた。これが慣れか……。恐ろしすぎる。

そんな様子を見ていた傑くんはクスッと笑った。

『どうしたの？』

「いや、Aは表情がコロコロ変わるから見ていて楽しいなと思って。
本当に可愛いよ、Aは」

『……口説いてる？』

「ずっとね。君が気がついてくれていなかっただけで」

『その節は本当にごめんなさい……』

「さ、もう時間がない。急ごうか？」

『え？どこ行くの？』

デートプランは傑くんに任せっきりで、私は一切どこに行くのか知らない。
当日までになんとか聞き出したかったけど、結局はぐらかされてしまった。




そんなこんなで着いたのは映画館。

「今日はこの映画を観ようと思ってね」

傑くんが指差したポスターは私が観たいと言っていた恋愛映画。

『え……？これ、私が観たいって言ってた映画じゃない？』

「そうだね。私も興味があったからちょうど良いと思うんだ」

『傑くん恋愛もの好きだっけ？』

「Aが好きなものが好きなんだ。それに、元々何にでも興味がある性格でね」

ズルイ。本当に傑くんはズルい。




2人で飲み物だけ持って席に着く。

五条がいたらポップコーンを食べるんだろうけど、私は映画は集中して観たいからポップコーンは食べない。

傑くんはいつもポップコーンを食べているから、映画はポップコーンを食べながら派かと思いきや、


「あぁ、あれね。あれは悟に付き合っているだけだよ。悟のポップコーンは大概キャラメル味だろ？たまには塩味も食べたくなるかなと思って分けられるように食べているだけだよ」


と言われた。
五条に聞かせてやりたいよ……。

五条もこのぐらいの気遣いができればな……と思ったのはここだけのお話。

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