【呪術廻戦】夏油傑と(不本意ながら)婚約しました

15.それはデートのお誘いってこと？ ページ17

『………くん』

「え？」

『”傑くん”！！これで満足なんでしょ！？』

急に呼び捨ては気が引けるから、恥ずかしさを抑えながら”傑くん”と呼んだ。
すると夏油……じゃない、傑くんはフイッと視線を逸らしてしまった。


何か気に障ることをしてしまったか。いや、でも要望に応えたのだ。
傑くんの顔を覗き込むと、顔を赤くした彼が頭を抱えていた。


「反則だよ、A。破壊力が凄すぎる……。
あぁ、参ったな。これでますますAが好きになってしまうよ……」

『えぇ……、そんなに？』

少し困惑した声を私が出すと、傑くんはニヤリと笑った。

「Aのためなら、私は喜んで国を滅ぼすよ」

『いや、特級術師がそれ言うと洒落にならないよ？』

「確かにそうだね。
でも、私のAに対する思いはそのぐらいにもなるってことさ」


さっきまでの顔を赤くした傑くんは何処へやら。いつもの飄々とした表情に戻った彼は愉快そうに笑った。


「じゃあ、名前も呼んでもらえたことだし。
A、今週末デートに行かないかい？」

『……それはデートのお誘いってこと？』

「そうだね。まだ婚約者らしいことは何もできていないからね。2人の休みが重なるのも貴重だろ？」

『確かにね。……私もデート、行きたいデス』


”デート”という単語がなんだかむず痒くて語尾がおかしくなってしまう。

そんな私の様子を見て、傑くんは嬉しそうに微笑んだ。

「デートプランは私に任せてほしい。絶対Aを楽しませるよ？」

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